『次にくるマンガ大賞』は知名度ランキング? ジャンプ漫画がトップ10を蹂躙

『次にくるマンガ大賞』は知名度ランキング? ジャンプ漫画がトップ10を蹂躙

『次にくるマンガ大賞』は知名度ランキング? ジャンプ漫画がトップ10を蹂躙 (C)PIXTA

未来に流行る漫画を発掘する『次にくるマンガ大賞 2022』の受賞作が、8月31日に発表された。ところが、そこにランクインしていたのは『週刊少年ジャンプ』と『少年ジャンプ+』の作品ばかり。偏った受賞作の傾向に、真の漫画好きたちは首を傾げている。

ジャンプだらけの受賞作

「次にくるマンガ大賞」は、「これから売れてほしい漫画」を読者からの投票によって決める賞レース。今年度は「シリーズが5巻以内の漫画」、または「連載スタートが2021年1月1日から」という条件で、さまざまな媒体の連載作品が競い合った。

結果としては、「コミックス部門」の1位をつるまいかだの『メダリスト』が受賞。2位には篠原健太の『ウィッチウォッチ』、3位に原作・末永裕樹、作画・馬上鷹将の『あかね噺』がランクインしている。掲載誌でいうと1位が『月刊アフタヌーン』、あとの2つは「ジャンプ」作品だ。

また、「Webマンガ部門」1位は地主の『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が受賞。2位以下はどちらも「ジャンプ+」の作品で、阿賀沢紅茶の『正反対な君と僕』、原作・岩田雪花、作画・青木裕の『株式会社マジルミエ』が続いている。

両部門のトップ3のうち、2位と3位を「ジャンプ」系列の作品が独占する結果に。しかもトップ10まで広げれば、コミックス部門では4作品が「ジャンプ」作品、Webマンガでは6作品が「ジャンプ+」からランクインしている。

知名度の高い新連載が有利に

ランキングの結果を見て、その“無双っぷり”に喜んでいる「ジャンプ」系作品のファンは多い。しかし必ずしも、作品の面白さによって順位が決まっているわけではないだろう。むしろ同賞の仕組みからして、読者数が多い媒体ほど有利になっているものと思われる。

現在多くの読者を抱える「ジャンプ」や「ジャンプ+」から、多数の作品がランクインするのはある意味当然。むしろ“次にくる漫画の発掘”という趣旨からすると、誰もが知っている「ジャンプ」系の作品よりも、あまり知られていない隠れた名作がピックアップされるべきではあるだろう。

実際に賞の趣旨とのズレを感じる人からは、《「今きてる漫画」しかない》《ジャンプ+に引っ張られてる。確かに面白いのは多いけど、知名度の差な印象も受ける》《ジャンプ+がいかに連載一覧にアクセスしやすくすぐに漫画が読めるかランキングに見える》といった指摘も上がっている。

「ジャンプ」以外の媒体にも、“金のタマゴ”は無数に存在するはず。漫画好きを自認するなら、アンテナは広く張っておきたいものだ。

文=野木

【画像】

Koldunova / PIXTA

【あわせて読みたい】