なろう出身ラノベが“同性愛差別商法”で炎上! タイトル詐欺との指摘「百合を利用するな!」

なろう出身ラノベが“同性愛差別商法”で炎上! タイトル詐欺との指摘「百合を利用するな!」

なろう出身ラノベが“同性愛差別商法”で炎上! タイトル詐欺との指摘「百合を利用するな!」 (C)PIXTA

10月25日に『オーバーラップ文庫』から刊行されたライトノベル『百合ゲー世界なのに男の俺がヒロイン姉妹を幸せにしてしまうまで』(百合姉妹)が炎上。「百合」ジャンルを加害するようなコンセプトだとして、ネット上で怒りの声が上がっているようだ。

百合ゲー世界なのにヘテロハーレム!?

同作の内容はタイトルの通り、“百合ゲー”の世界に転生した主人公・病乃魁人が、本来ならばゲームの攻略対象である四姉妹を引き取り、みんなが幸せな未来を目指すという物語。元は『小説家になろう』や『カクヨム』といった投稿サイトで連載されていたWeb小説を、「オーバーラップ文庫」が書籍化した形だ。

タイトルには女性同士の恋愛を仄めかすような「百合」という文言が入っているものの、内容はほとんど関係なく、主人公も男という設定だ。そんな“タイトル詐欺”を行っていることについて、SNS上では《いくらなんでも百合とセクシュアリティを馬鹿にし過ぎだ。百合を利用するな!》《なんで百合というジャンルをヘテロのために扱おうとするの? 同性愛はヘテロのスパイスじゃないのに…》《性差別・同性愛差別商法だ》《いくらなんでもこれは明確なジャンル迫害、ジャンル侵害だ》といった抗議の声が寄せられている。

また「オーバーラップ文庫」の公式が「#百合姉妹」というハッシュタグで宣伝し、作品を「百合姉妹」という略称で広めようとしたことも裏目に出た形だ。

というのも百合漫画愛好家のバイブル『コミック百合姫』の前身にあたる雑誌が『百合姉妹』だったので、内容が全く「百合」ではないライトノベルで同じ名前を使うのは、「リスペクトに欠ける」とのことだ。

ポリコレに真っ向から反する路線?

そもそもの問題点として、「百合」を題材にした作品に“男”を介入させるやり方は炎上リスクが高い。たとえば有名な炎上案件としては、『琴崎さんがみてる』というYouTube漫画のノベライズが挙げられるだろう。同作はなぜか主人公が男子生徒に改変され、女性主人公との異性愛を挟み込んだ展開にされたことで、猛バッシングを浴びた。

また『第28回電撃大賞』金賞を受賞した『百合少女は幸せになる義務があります』というライトノベルも、男性が百合に挟まる作品だと発覚したことで炎上。批判の声が相次いだ結果、『この△ラブコメは幸せになる義務がある。』に改題して刊行された。

そもそもライトノベル界隈では、「百合」と銘打った作品は、商業的にあまり強くないという説が存在する。それにもかかわらず、なぜ次々と「百合」ファンを釣るようなタイトル詐欺が発生するのだろうか。あるいは最初から、炎上商法のつもりなのかもしれないが…。

世間ではただでさえポリティカルコレクトネスの意識が高まり、性的マイノリティへの配慮が重要視されている。時代の流れに逆行した“百合ジャンルの荒らし行為”ブームは、いつまで続くのだろうか。

文=大上賢一

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