<2位>高野文子
続いては、日本が誇る女性漫画家・高野文子だ。
1980年代に漫画界の「ニューウェーブ」の1人としてデビューすると、『絶対安全剃刀』や『黄色い本』といった数々の名作を発表した。
高野の持ち味は正確なパースやデッサン力に捉われない、気持ちのいいズラし方やキャラクターの演技が表現されていること。
型にはまったアカデミックな表現だけではない、“漫画としての上手さ”を切り拓いたパイオニアと言えるだろう。
デビュー30年で単行本7冊ときわめて寡作ながら、今なお業界内では多大な影響力を持っている。
たとえば、ズバ抜けた画力で知られる『無限の住人』の作者・沙村広明は、藤本タツキとの対談にて、高野について「日本で一番絵が上手い」と絶賛の言葉を送っていた。
さらに漫画家だけでなく、『千と千尋の神隠し』や『君の名は。』の作画監督を務めたアニメーター・安藤雅司にも強い影響を与えている。