
『呪術廻戦』21巻(芥見下々/集英社)
難解なルールによって、賛否両論を呼んでいた『呪術廻戦』の「死滅回游」。1月7日発売の『週刊少年ジャンプ』6・7合併号に掲載された最新話では、その“クソゲーっぷり”を作者自らイジるような展開があり、読者に衝撃を与えている。
※『呪術廻戦』最新話の内容に触れています
第209話『未知への供物』では、「死滅回游」の結界内に米国の軍隊が乱入。羂索が企てた“呪術師狩り”がスタートし、実力のないプレイヤーたちは次々と捕らえられてしまう…。
ところで「死滅回游」のルールでは、結界に入った瞬間、強制的にランダムな地点に飛ばされるはず。
それにもかかわらず、米軍の人間たちは転送されることなくスムーズに侵入している。
というのも実は、「死滅回游」のシステムには抜け穴があった模様。結界に入った時に出現する案内役・コガネの問いに反応しなければ、強制転送が起きないのだという。これを羂索は「裏ルール」と言ったものの、裏梅は「バグ」と一刀両断していた。
意外とゆるかった「死滅回游」の実態に、読者からも《死滅回游、やはりクソゲーだった》《死滅回游、バグ多すぎでは》《死滅回游運営は今すぐプレイヤーに詫び指を配布しろ》といった声が噴出している。
すべては羂索の策のうち?
「死滅回游」のルールが初めて開示されたのは、第143話のこと。しかしところどころ抜けのある内容だったため、その時点で読者からはさまざまなツッコミが巻き起こっていた。
とはいえ、元々このデスゲーム自体が羂索によって仕掛けられたもの。完璧なシステムである保証はなかったとも言える。
実際、今回描かれた“裏ワザ”の存在によって、その作りがいかに適当なのかハッキリしただろう。
そして羂索は、最初からゲームの継続を望んではいなかった。本来の目的が達成されれば、「死滅回游」は用済みになるはずだ。
ルールに則って真面目にポイント稼ぎしていた虎杖悠仁たちも、ルールを真剣に考察していた読者も、まんまと手のひらの上で転がされていたのかもしれない…。
ゲームそのものが崩壊し、終わりが見え始めた「死滅回游」。そろそろ物語は大きな山場を迎えそうだ。
文=野木
写真=まいじつエンタ
■『呪術廻戦』21巻(芥見下々/集英社)