
『シン・エヴァ』に汚点…? 中国の告知ビジュアルが“盗用”発覚で炎上! (C)PIXTA
中国で『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(以下、シン・エヴァ)が配信されることに伴い、告知ビジュアルが解禁された。しかしデザインの“盗用疑惑”が指摘されてしまい、現地の制作会社が謝罪する事態にまで発展している。
告知ビジュアルの背景が他作品にそっくり…
中国における『シン・エヴァ』の告知ビジュアルは、グレースケールで表現されたデザインだった。
荒廃した世界に人型人造兵器・エヴァンゲリオンが描かれており、背景には大きな三日月とそれを覆い隠すほどの黒雲が立ちこめている。
ポスターの半分以上を埋め尽くす夜空に目が惹かれるデザインだが、SNS上ではフランスのイラストレーター・Nico Delort氏の作品に似ているとの指摘が寄せられる事態に。
というのも同ポスターは、Nico Delort氏が手がけた『Where the Wild Things Are』(かいじゅうたちのいるところ)のポスターと背景がそっくり。グレースケールで描かれた夜空はもちろんのこと、雲の立ちこめ方まで似ているため、物議を醸してしまった。
今回の一件に対して、中国のSNS『微博(ウェイボー)』は大炎上。日本でもたちまち話題となり、ネット上では《やはり無許可ものだったか。だってシン・エヴァ月も雲も関係ないし…》《パクリ云々以前にシン・エヴァっぽくないよね》《こんなことでシン・エヴァに汚点がつくのはマジで残念!》などの反響が続出している。
有名クリエイターがまさかの盗用?
1月15日、『シン・エヴァ』告知ビジュアルの問題に関して、現地の制作会社『北京竹也文化スタジオ』は謝罪コメントを発表。許可を得ずに不適切に素材を使用したことを認め、Nico Delort氏と関係パートナーに心からの謝罪を述べていた。
昨日お伝えした中国でのシンエヴァ告知ビジュアルの問題に関し、現地の絵柄制作会社よりコメントが発信されました。抄訳としてお伝え申し上げます。
なお、当該イラストは発表された媒体から既に削除されたとのことです。 https://t.co/1X2Jj4lOu3 pic.twitter.com/7axRQQoUOP— エヴァンゲリオン公式 (@evangelion_co) January 15, 2023
なお今回問題になった告知ビジュアルについて、映画本編スタッフ及び株式会社カラーは制作に関与していないそうだ。
当該ビジュアルを担当したのは、国際的にもその名が知られる中国のポスターデザイナー・黄海氏。
これまでにさまざまな有名作品の中国版ポスターを手がけており、とくに独特のセンスが発揮された『千と千尋の神隠し』のポスタービジュアルは、日本でも大きな注目を集めていた。
過去には『ナタリー』の連載企画『映画と働く』で、《創作というのは毎回、山頂を目指すようなものであり、薄い氷の上を歩くようなもの》《山を登るのは本当に大変ですが、登ってみないとその美しさには永遠に気付かない》と語っていた黄海氏。
そんな彼の最新作とも言える「シン・エヴァ」告知ビジュアルに、何が起きてしまったのか…。
“創作”という名の山を登るのは、たしかに大変なことなのかもしれない。
文=「まいじつエンタ」編集部
【画像】
master1305 / PIXTA