
『名探偵コナン』102巻(青山剛昌/小学館)
ここ数週の『週刊少年サンデー』では、『名探偵コナン』の内容が大きな話題を呼んでいる。物語の核心に迫るエピソードとして、「黒の組織」にまつわる新たな事実が明らかとなったのだ。
しかしそこで「黒の組織」No.2、ラムの“無能ぶり”も露呈してしまうことに…。
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※『名探偵コナン』最新話の内容に触れています
話題を呼んでいるのは、2月1日発売の『週刊少年サンデー』10号に掲載された第1106話から3話にわたって描かれたエピソード。17年前に発生した、天才棋士・羽田浩司と資産家のアマンダ・ヒューズが同時に亡くなった事件の話だ。
兼ねてより「黒の組織」と大きな関係があるとウワサされていた事件だが、その真相がついに明かされた。
警視庁捜査一課管理官・黒田兵衛の証言によると、羽田とアマンダはアメリカの「Juke Hotel」にて死亡したそう。偶然その場に居合わせた若き日の黒田管理官は、2人の命を狙ったラムたち「黒の組織」の面々と対峙した。
そして羽田の部屋に隠れていたアマンダのボディーガードの女性・浅香と共に組織から追われ、命からがら逃げきったという。
ところでこの事件で気になるのは、ラムの仕事ぶり。彼は「黒の組織」について、“死を見定めることが決まり”と言いながら、「アマンダ同様、明日の新聞が教えてくれるでしょう」と言い残し、羽田の死亡を確認せず、別の場所に移動している。
さらに彼の部下は羽田が遺したダイイングメッセージに気が付かず、ラムも浅香が隠れていたことを見逃す始末、しかもラムは逃げた黒田管理官と浅香を追うことを優先し、街中でド派手なカーチェイスを繰り広げていた。
「黒の組織」の有能メンバーかと思いきや…
曲がりなりにも「黒の組織」No.2になった人物なので、かなり有能であるはずだが、この事件でラムが見せた行動は杜撰極まりない。あやうく組織の存在を公に露呈するリスクすら犯している。
そんな描写をめぐり、ネット上では《今週のラム、さらに大ポカしとるな…》《あんな適当な人がNo.2の座にいる組織が心配になってきた》《ラム、お前No.2降りろ》《ラムぬかりすぎて組織NO2と思えない。味方側の優秀な人材の山に比べて、組織側の人手不足酷くないですか?》といったツッコミが巻き起こってしまった。
また、ラムが“無能”として描かれることに違和感を覚える人も多く、《ストーリーを円滑に進めるためとはいえ、有能なキャラを無能に仕立て上げるのはやめて欲しい》と指摘する声も。
物語の辻褄を合わせるために、無能キャラへと転身させられてしまったラム。とくに昨今の「名探偵コナン」の本編は、劇場版の“おまけ”のような描かれ方をしている。
劇場版のストーリーに弊害が出ないよう、むしろ本編の方を改変する傾向にあるため、ラムもその被害に遭ってしまったのかもしれない。
文=大獄貴司
写真=まいじつエンタ
■『名探偵コナン』102巻(青山剛昌/小学館)