“地球人最強”はクリリンにあらず!?『ドラゴンボール』マニアが推す初期の強キャラ

“地球人最強”はクリリンにあらず!?『ドラゴンボール』マニアが推す初期の強キャラ

『ドラゴンボール 完全版』1巻(鳥山明/集英社)

『ドラゴンボール』に登場するクリリンといえば、「地球人最強」と呼ばれることが多いキャラクター。作中の果てしないパワーインフレ合戦にも負けず、物語初期から最終決戦まで戦い抜いた数少ない地球人戦士だ。

しかしあらためて振り返ってみると、実は「地球人最強」の称号に本当にふさわしいのはクリリンではなく、ヤジロベーだったのではないだろうか…。

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読者を震撼させてきたヤジロベー伝説

ヤジロベーはぽっちゃり体型でありながら、俊敏な動きを強みとする野生児。日本刀を巧みに操ることも特徴なので、『鬼滅の刃』でいえば伊之助のポジションにあたる。

ただし伊之助と違ってメインキャラではないため、あまり印象がなく、物語終盤に悟空たちに仙豆を届ける“仙豆配達人”としての活躍しか覚えていない人も多いかもしれない。

しかしヤジロベーのポテンシャルは、物語の初期からしっかりと描かれていた。まず初登場時、「天下一武道会」終了時の孫悟空とほぼ互角という恐るべき戦闘力を見せ付けている。

また、ピッコロ大魔王の配下であるシンバルを倒すほどの実力を見せたことも。ピッコロ大魔王戦で負傷した悟空を背負い、カリン塔を楽々と登ってみせたことも印象的だ。

何よりも評価すべきは、その剣術の腕前だろう。ベジータが地球に襲来し、悟空たちと激闘を繰り広げた際に、ヤジロベーは功労賞ものの活躍を見せた。大猿化したベジータの尻尾を切り落とす彼の剣技がなければ、地球は滅んでいただろう。

さらに重要なのは、ふたたび人間の姿にもどったベジータに一太刀を浴びせるシーンだ。背後からヤジロベーが切りつけた一撃により、真に決着が付いた。

ちなみにこの時、ベジータはかなり頑丈なはずのフリーザ軍謹製アーマーを身につけていたのだが、刀はそれを貫通したことになる。普通の地球人では決して真似できない芸当だ。

インフレに取り残された理由は…

ひそかに大活躍しているヤジロベーだが、悟空もその実力を認めていた節がある。人造人間編では、彼に対する厚い信頼を覗かせるセリフがあった。

恐るべき人造人間との戦いを控える中、天津飯がチャオズを置いてきたことについて、悟空は「その方がいい」と返事をする。しかしその直後、ヤジロベーが仙豆を持ってきた時には「お前も闘うんだろ?」と声をかけていたのだ。

悟空はふだん仲間を認めるような言動をとらないため、ヤジロベーがいかにイレギュラーな存在だったのか分かる。

実際に「ドラゴンボール」ファンの間でも、《ガチれば地球人最強になれた逸材だよな》《こいつがいなかったら地球が終わってたという事実》《ピッコロ大魔王編あたりだったら圧倒的にクリリンより有能》と再評価する声が後を絶たない。

だが、ポテンシャルは十分だったが、その後の戦士としての成長が今一つだったことは確かだろう。舞空術や気功波の練習もせず、パワーインフレに取り残されていった。

そう考えると、クリリンに「地球人最強」の座を奪われたのも、仕方ないのかもしれない…。

文=富岳良
写真=まいじつエンタ
■『ドラゴンボール 完全版』1巻(鳥山明/集英社)

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