
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 新装彩録版』25巻(漫画:稲田浩司、原作:三条陸、監修:堀井雄二/集英社)
『週刊少年ジャンプ』の大ヒット漫画を原作としたゲーム『インフィニティ ストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の発売時期が、ようやく発表された。しかし発売延期やプロデューサーの交代など、さまざまなトラブルが相次いでいることから、原作ファンたちは怒りを抑えきれない様子だ。
【関連】ジャンプ新連載陣を大量打ち切り!? 西尾維新もタコピー作者も全滅か… ほか
アニメ化で「ダイ大」ブームを生むはずが…
同ゲームは、累計発行部数5,000万部を超える人気漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』を原作としたアクションRPG。アニメのストーリーを追体験できる「ストーリーモード」と、オリジナルダンジョンを攻略する「記憶の神殿」の2つが主な遊び方になるという。
先日、『ドラゴンクエスト』シリーズの宣伝用ツイッターアカウントは、そんな同ゲームの発売時期が「2023年秋」になると告知を行った。
しかしネットの一部は大荒れしており、《完全に発売する時期を逃したよね》《てっきりもう発売されないのかと思ってました》《さすがにちょっと遅いかもな》《今さら…? 売れるのか心配になる》《この期に及んでまだ秋なんてぼかし方…スクエニさぁ》とツッコミの声が巻き起こっている。
#ダイの大冒険 の世界を舞台にした家庭用ゲーム機向けアクションRPG『インフィニティ ストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の発売時期が、《2023年 秋》に決定となりました🎉
今後の続報をぜひお楽しみに✨https://t.co/AOLyBfR75B pic.twitter.com/3yOqmEI7ND
— ドラゴンクエスト宣伝担当 (@DQ_PR) March 31, 2023
というのも、同ゲームは当初2021年にリリースされる予定だったが、クオリティアップのため延期されることに。一時期は「発売日未定」となっていたが、ようやく発売の目途が立ったという流れだ。
TVアニメ版「ダイの大冒険」の放送時期は2020年10月~2022年10月だったので、ゲーム版はそのスケジュールに合わせる目論見だったと思われる。まさかアニメ終了から1年遅れで発売されることになるとは、誰も予想していなかっただろう。
スクエニの犠牲になった名作「ダイの大冒険」
しかも問題は発売時期だけでなく、ゲームの内容にもある。ストーリーモードは「鬼岩城の戦い」までが収録されているのだが、これは原作の中盤で描かれたエピソード。アニメ版では全100話のうち、第40話辺りで放送された話だ。
散々発売を待たせたにもかかわらず、中途半端な部分までしか遊べない作りに、ファンからは《ストーリーモードが鬼岩城までの戦いまでってなってて、買う気がなくなった》《発売日遅いくせにストーリーも最後までやらないってこれどの層狙ってんだよ》《鬼岩城までって買わせる気なしやん 待たせるなら最後までやれよ》と不満の声が殺到している。
なお、同ゲームのプロデューサーは市村龍太郎氏が担当していたのだが、発売を前に3月31日をもってスクウェア・エニックスを退職済みだ。《ほぼ完成まで出来ていたのを見届けてあります》とのことだが、社内のゴタゴタを感じざるを得ない。
僕が担当していた『インフィニティ ストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険』は、後任に託してあります!
もうほぼ完成まで出来ていたのを見届けてありますのでご安心ください。
みなさま発売を楽しみにしていてください!#ダイの大冒険 https://t.co/lSJ7xKmLJN— 市村 龍太郎 (@RyutaroIchimura) March 31, 2023
また、スクウェア・エニックスは2021年9月からスマートフォンゲーム『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -魂の絆-』も展開していたが、結果は大コケ。リリースから約1年半しかもたず、4月27日にサービス終了を迎えることが決定している。
クオリティの高いアニメ化によって「ダイの大冒険」が盛り上がったことを思うと、なんとも残念な顛末だ。
ただ、関係者のインタビューによると、実はアニメ化の企画自体が“ゲーム化ありき”で始まったものだという。原作ファンはむしろスクウェア・エニックスに感謝すべきなのかもしれない。
文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ
■『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 新装彩録版』25巻(漫画:稲田浩司、原作:三条陸、監修:堀井雄二/集英社)