
『ONE PIECE』105巻(尾田栄一郎/集英社)
4月24日発売の『週刊少年ジャンプ』21・22合併号に掲載された『ONE PIECE』のカラーページに、思わぬスペルミスが発覚した。偶然にも卑猥な意味が生まれてしまったことから、海外読者たちを笑顔にさせているようだ。
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サンジが持っている本のタイトルに衝撃
今号の「ジャンプ」にて、「ONE PIECE」は巻頭カラーで掲載されたのだが、問題はその扉絵カラーページで発生した。
イラストには見開きいっぱいに「麦わらの一味」メンバーたちが寝転がっており、それぞれが心地いい夢に浸っている。例外的にサンジは仰向けのまま、本を読んでいたのだが、その背表紙に記されたタイトルが「COCKING」(コッキング)だったのだ。
サンジといえば、海の一流料理人(コック)を自称するキャラクター。本の表紙にフォークとスプーンが描かれていることからも、正しくは「COOKING」(クッキング)とするつもりだったのだろう。
しかしイラストに描かれている文字は、どう見ても「COOK」(クック)ではなく「COCK」(コック)。たった1文字のスペルミスではあるが、「COCK」にはスラングとして卑猥な意味が含まれている。
少年漫画にはふさわしくない卑猥な単語に、海外読者たちは衝撃を受けてしまったようだ。
SNS上では、《一体なぜサンジの本に「コックキング」と書いてあるの?》《サンジ…何を読んでるの…》《レッツゴー、“COCK”king!》《コックキングに笑いが止まらない》《サンジの本のタイトルを直してください(笑)》とネタにされている。
しかし「ONE PIECE」の作者・尾田栄一郎といえば、あらゆる描写に伏線を仕込むことで有名。日本のファンからは、《Color Of Conqueror、覇王色の覇気なんだよ》《鶏(cock)と王(king)の組み合わせから「王の鳥」と「トリノ王国」が重要になるかもしれない》などと、意図的な表記だという考察も浮上している。
過去にはルビの誤植が騒動に
実は以前にも、「ONE PIECE」では“ミスのようでミスではなかった”描写が存在した。
昨年5月発売の「ジャンプ」26号に掲載された第1050話『誉れ』、“小紫”こと光月日和が登場するシーンでのこと。民衆の1人が目の前の光景を信じられず、「これは夢(ゆめ)か幻(うつつ)か?」と呟いたのだ。
通常であれば「夢(ゆめ)か現(うつつ)か」と表現されるところなので、「幻」の文字は誤植だと思われており、《どっちも現実じゃなくて草》《現実見たくないのかな》などとツッコミを浴びていた。
その一方で、日本文学の古典では「夢幻(ゆめうつつ)」という言い回しがあり、夏目漱石や泉鏡花といった文豪たちも使用していたため、意図的な表現だと擁護するファンも。
実際に昨年11月に発売されたコミックス104巻では、誤植と思われたルビは修正されておらず、意図的な表現だったことが判明している。
「COCKING」はスペルミスなのか、それとも壮大な伏線なのか。今後もファンたちは尾田の手のひらの上で転がされることになりそうだ。
文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ
■『ONE PIECE』105巻(尾田栄一郎/集英社)