
『推しの子』に木村花さんの遺族が激怒! アニメファンの暴走で最悪の事態に… (C)PIXTA
ここ数年のアニメで類を見ないほどの話題を呼んでいる『【推しの子】』(TOKYO MXほか)。しかし5月17日に放送された第6話「エゴサーチ」の内容が、あのテラスハウス事件を髣髴とさせるとして、現在ネット上で大きな物議を醸している。
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木村花さんの遺族が激しく批判
「推しの子」はカリスマアイドルの子どもたちを中心として、芸能界の光と闇を描き出すストーリー。第6話では前回に引き続き、主人公である星野アクアが恋愛リアリティショー「今からガチ恋始めます」の収録に臨んでいく。
そこで出演者の1人、黒川あかねは何とかして爪痕を残そうとするも、他の出演者を傷つける事故が発生。視聴者から心ない誹謗中傷が殺到し、命を絶つ寸前まで追い込まれてしまう。
🌟あらすじ・先行カット🌟
TVアニメ【#推しの子】
第六話「エゴサーチ」『今ガチ』の収録が進む中、女優・あかねは爪痕を残せずにいた。目立ちたい一心でヒールのように振る舞うも、望む反響は得られない。焦りを募らせたあかねは…!?
▼WEB予告▼https://t.co/22D8I4WxXA pic.twitter.com/1BkLGNIR80
— 『【推しの子】』TVアニメ公式 (@anime_oshinoko) May 16, 2023
「推しの子」ファンからは絶賛されている同エピソードだが、一部では恋愛リアリティ番組『テラスハウス』で起きた事件を思い出す人が続出。出演者が誹謗中傷を受け、自ら命を絶とうとする姿が、女子プロレスラー・木村花さんの一件に重なるという声が上がっている。
そしてその反響は、木村花さんの母である木村響子氏にも届いたようだ。
響子氏は自身のツイッターで、テラスハウス事件を元にした話を制作することについて、《花を大切に想う人たちが深く傷つくことは想像できないのかな》と批判。
また、同エピソードが木村花さんの命日に近いタイミングで放送されたことにも疑問を呈し、《売るため話題になるためなら手段を選ばないやりくち》《心から軽蔑します》と述べている。
実際にあった話をそのまま使うことで
花を大切に想う人たちが
深く傷つくことは
想像できないのかなまして、命日が近いこのタイミングでのアニメ配信?
売るため
話題になるためなら
手段を選ばないやりくち心から
軽蔑します花のファンの方には
絶対にみないでほしい https://t.co/cvhqLcLExh— 木村響子🌸🌸🌸🦍 (@kimurarock) May 20, 2023
さらに響子氏によると、「推しの子」の内容はテラスハウス事件と似ているだけではなく、「取材などで語った詳細がそのまま使われている」とのこと。制作サイドからは、テラスハウス事件をモデルにすることの連絡は一切なかったという。
見るなと止められています
細かいあらすじを
いくつかのところで確認しましたhttps://t.co/inL7ZOIpH1恋愛リアリティ番組の構造、問題、番組でおきたことなど
私たちが無事取材などで語った詳細がそのまま
使われているのです前後とかストーリーとかの
問題ではないです— 木村響子🌸🌸🌸🦍 (@kimurarock) May 21, 2023
止まらないアニメファンたちの暴走
「推しの子」の内容がどこまでテラスハウス事件を参考にしたのかは不明だが、ネット上では擁護と反論の声が入り混じる事態に。さらにヒートアップしたアニメファンからは、響子氏への誹謗中傷めいた言葉も続出している。
そもそも「推しの子」の一連のエピソードでは、SNS上の誹謗中傷が悲劇を生むことについて風刺的に描かれていた。しかしこの話を受け取ったはずの視聴者が、まさに外道な行為に手を染めているという皮肉な構図が生まれているのが現状だ。
そのため良識のある人々からは、《推しの子読んで何学んだんだよ》《推しの子第6話を観てナニも学ばなかったようだな》《木村花さんの遺族叩いてるオタク、倫理観終わってないか? 人の心があれば自分の子供亡くしてる人を叩こうとか普通は思わないぞ?》といった意見が相次いでいる。
「推しの子」にかぎらず、近年は現実の事件をモデルとした“社会派アニメ”が作られることが珍しくない。
たとえば昨年公開された新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』は、東日本大震災を題材とした作品。それ以前には、幾原邦彦監督の『輪るピングドラム』にて、1995年に起きた地下鉄サリン事件を連想させる設定が導入されていた。
いずれも多少なり物議を醸すこととなったが、そうしたリスクを背負いつつもクリエイターが現実と向き合おうとすることには重要な意義があるだろう。
ファンたちがそんな作品を「現実とは無関係だ」と言い張った挙句、関係者への誹謗中傷まで行うのは、むしろ作品やクリエイターを侮辱する行為でしかない。
「推しの子」ファンには冷静になってほしいところだ。
文=「まいじつエンタ」編集部
【画像】
Chepko / PIXTA