
『ONE PIECE』106巻(尾田栄一郎/集英社)
『ONE PIECE』の世界において、強者の証として描かれてきた覇王色の覇気。数百万人に1人しか身につけられない特別な資質だが、作中では徐々にその人数が増えつつある。
7月24日発売の『週刊少年ジャンプ』34号に掲載された最新話では、海軍のコビーまでもが覇王色に開花したような描写があり、波紋を呼んでいるようだ。
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※『ワンピース』最新話の内容に触れています
黒ひげ海賊団にコビーがさらわれたことをきっかけに勃発した、海賊島「ハチノス」での戦闘。第1088話『最後の授業』では、その戦いがついに決着を迎えた。
前回、ガープはコビーをかばったことで重傷を負い、仲間たちが乗っている軍艦も「シマシマの実」のアバロ・ピサロが出現させた巨大な手によって握りつぶされる寸前。絶体絶命の状況のなか、ガープはコビーたちを激励し、底力をふりしぼってピサロに一撃を食らわせる。
そしてコビーは誰もが不可能だと笑うなか、師匠の想いに応えるべく、覇気をまとった新技「実直拳骨(オネスティインパクト)」を披露。見事ピサロの掌を破壊し、この場の英雄となるのだった──。
コビーはガープやクザンが行ってきた「軍艦バッグ」の修行を誰よりも地道に続けてきたことで、圧倒的なパンチ力を手に入れたようだ。第2話で初登場した際の情けない姿からは、まるで想像できないような成長を遂げていた。
また、その覚醒描写で気になるのは「実直拳骨」を放つ際のエフェクトだ。コビーの拳はインパクトの直前から、黒い稲妻のようなものをまとっていた。
過去の戦闘描写から、黒い稲妻のエフェクトは覇王色の覇気を表現したものだとされているため、今回ついにコビーが“王の資質”に目覚めたのではないか…と議論を呼んでいるのだ。
コビーに「王の資質」は解釈違い?
ピサロの腕を一撃で破壊したことからも、コビーが並み外れた実力を持っていることは明らか。カイドウとの戦闘で覇王色の覇気を開花させたゾロと同じように、コビーが窮地で覚醒した可能性は十分あるだろう。
とはいえ、黒い稲妻が覇王色の覇気を表現するものだという説は確定ではない。ワノ国編ではうるティの攻撃時に黒い稲妻が発生しており、覇王色にかぎらず覇気をまとった攻撃を表すエフェクトだという説も唱えられている。
また、コビーは「軍艦バッグ」の修行によって岩を砕くパンチ力を手に入れた努力の人だ。覇王色の覇気は生まれ持った資質であり、鍛えることはできないとされているので、やはりコビーとは関係ないのかもしれない。
ただでさえ覇王色の覇気の持ち主は、徐々に人数が増えつつある。もし今回の説が確定すれば、旅の始まりで出会ったメインキャラクターであるルフィ・ゾロ・コビーの3人が全員覇王色の持ち主だったことになってしまう。
読者の間では《覇王色のオンパレード》《まるで覇王色のバーゲンセールだな》と揶揄する声も上がっているが、はたしてコビーはどちら側の人間なのだろうか…。
文=Tら
写真=まいじつエンタ
■『ONE PIECE』106巻(尾田栄一郎/集英社)