『ONE PIECE』のゾロは実在した! 初期キャラクターの元ネタになった海賊たち

『ONE PIECE』のゾロは実在した! 初期キャラクターの元ネタになった海賊たち

『ONE PIECE』106巻(尾田栄一郎/集英社)

8月31日に公開を控えた、Netflixの実写ドラマ版『ONE PIECE』。どうやら東の海(イーストブルー)の物語が、映像化されるようだ。

そこで今回は、物語の初期に登場するキャラクターたちに注目。彼らのモデルとされている“実在の海賊”たちを取り上げてみよう。

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大海賊をモデルとするキャラクター

まず注目したいのは、すべての始まりとなった海賊王、ゴール・D・ロジャー。いかにも海賊らしい見た目をした人物だが、そのモデルは18世紀初頭ごろに実在したというウッズ・ロジャーズだと言われている。

ロジャーズの正確な肩書きは、イギリスの「私掠船」の船長。しかしこれは当時、国公認の海賊のような存在だった。彼は後世に伝わるほどの華々しい功績を残した上、海賊ハンターとしても活躍。バハマ提督として、エドワード・ティーチが支配していた「海賊共和国」の制圧を行ったという。

ちなみにこのエドワード・ティーチの二つ名は「黒髭」であり、「ONE PIECE」に登場するマーシャル・D・ティーチの元ネタとなっている。

また、ルフィにとって初の仲間となるロロノア・ゾロは、17世紀にカリブ海で活躍した有名な海賊が元ネタ。彼の本名はジャン=ダヴィド・ノーだが、別名をフランソワ・ロロネー、またはフランソワ・ロロノアという。

ロロノアはゾロと同じく、剣術を得意としていたらしく、その腕前で海賊団の首領へとのし上がった人物だ。しかし性格面はゾロと大違いで、冷酷で残忍。捕虜は1人残らず処分したほか、憎んでいたスペイン人の捕虜の胸を切り裂き、心臓を引きずり出して食べたこともあるそうだ。

モーガンやアルビダにも元ネタが

作中で初めてルフィが対峙した“敵”としての海兵は、海軍第153支部に所属する海軍大佐、斧手のモーガンだった。実は彼にもモデルとなった人物が存在しているが、その肩書きは海兵ではなく海賊だった。

その人物の名前は、ヘンリー・モーガン。17世紀、カリブ海で海賊行為のかぎりを尽くしたことで知られ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』でも言及されるほどの知名度を誇る。

多くの海賊は無残な最期を遂げるものだが、モーガンの生き様はかなり異色。国民から英雄視され、騎士(ナイト)の称号を授けられた上、ジャマイカ副総督の役目まで務めた。斧手のモーガンの哀れな末路とは大違いだ。

アルビダ海賊団の船長である女海賊、金棒のアルビダに至っては、まったく同じ名前の海賊がモデルだった。元ネタのアルビダはもともとスカンディナヴィアの王女だったが、政略結婚を拒み、海へと逃げ出した後で海賊へと転身。最終的にはふたたび王女に戻るという華麗な人生で、その実在に関しては議論が分かれるという。

ちなみに主人公のルフィに関しても、海賊ではないものの、実在の人物がモデルという説がある。よく名前が挙がっているのが、アレクサンダー大王ことアレクサンドロス3世だ。砂漠の国を解放に導いたり、空飛ぶ船で天界に渡ったという逸話があったりと、なにかと2人のあいだには共通点がある。

どこまで作者の尾田栄一郎が意識しているのかは不明だが、元ネタ探しは興味深いもの。ほかにも実在の人物をモデルとしたキャラクターは少なくないので、ぜひ考察してみてほしい。

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『ONE PIECE』106巻(尾田栄一郎/集英社)

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