『にじさんじ』運営の好調が止まらない! 純利益91%増を達成した「ユニットプロデュース」の仕組みとは

『にじさんじ』運営会社の好調が止まらない! 純利益91%増を達成した「ユニットプロデュース」の仕組みとは

『にじさんじ』運営会社の好調が止まらない! 純利益91%増を達成した「ユニットプロデュース」の仕組みとは (C)PIXTA

9月14日、人気VTuberグループ『にじさんじ』を運営するANYCOLOR株式会社が、2024年4月期 第1四半期の決算報告を行った。そこで驚くべき増益を達成していたことが明らかとなり、VTuberファンのみならず株式投資家たちを驚愕させている。

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成長を支えた男性ユニットたちの活躍

決算資料によると、売上高は約89億4,700万円。営業利益は約40億4,300万円となり、前年同期比90.5%増という大幅な増益を記録している。そして純利益は同91.0%増となり、約27億9,700万円という数字となっていた。

決算が好調だった理由について、資料では「ユニットプロデュース」の効果が挙げられている。人気男性VTuberによる『ChroNoiR』(くろのわ)、『ROF-MAO』(ろふまお)といったユニットの活躍のほか、新人ユニット『VOLTACTION』の躍進も結果に影響したという。

「実際に売上高の推移を見てみると、前年同期比でコマース領域の売上が大幅に上がっており、人気ユニットによるグッズ展開が上手くいったことが分かります。

逆に一般的なイメージでは大きな収入源となりそうな、ライブストリーミング(配信)での収益はほとんど横ばいが続いており、全体から見ても1割強程度にとどまっていますね。

イベントやグッズ展開、案件をVTuber事業の柱として、それを盛り上げるためにユニットをプロデュースしていくという手法こそが、『にじさんじ』運営ならではの強みと言えるのではないでしょうか」(VTuber業界関係者)

「にじさんじ」の今後に響きそうな要因も

プライム市場への上場変更に続き、絶好調を維持している「にじさんじ」。今回の決算報告は多方面で話題になっており、翌日からANYCOLORの株価が跳ね上がる動きを見せていた。

他方で、「にじさんじ」には必ずしもポジティブに評価できない要因も残っている。たとえば主に英語圏向けに活躍する『NIJISANJI EN』の売上高は、前年同期比マイナス16.3%と停滞する結果となっていた。

「決算資料では『NIJISANJI EN』が停滞している理由として、今四半期に大型コマース施策が行われなかったこと、日本人ファンの嗜好が国内VTuberに移ったことが指摘されていました。裏を返せば、海外ファンの増加が思うように見込めていないということでしょう。

元メンバー・Zaion LanZa(ランザー罪恩)の契約解除に関して、“中の人”がブラックな現状を訴えて大荒れしたこともあり、『NIJISANJI EN』のマネジメント体制には不安をつのらせるファンも多いようです」

また、今年8月にはANYCOLORのタレント育成プロジェクト『バーチャル・タレント・アカデミー』(VTA)にて『社内ルールへの違反』を理由に在校生たちの契約解除が行われたばかりだ。

ANYCOLORは現在、コンプライアンス強化の観点からVTAの体制を見直しているとのことだが、その結果はまだ明らかになっていない。

他方でライバル企業の『ホロライブ』では、音楽をメインとした新人VTuberグループ『ReGLOSS』がデビューし、好調といった様子。新人の育成が上手くいくかどうかで、今後の「にじさんじ」の命運も大きく左右されそうだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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