五条悟は時代の敗北者?『呪術廻戦』237話・宿儺にまさかの展開で読者がさらに大荒れ

五条悟は時代の敗北者?『呪術廻戦』237話・宿儺にまさかの展開で読者がさらに大荒れ

『呪術廻戦』23巻(芥見下々/集英社)

今やネット中の漫画好きを大激論に巻き込んでいる、『呪術廻戦』の五条悟をめぐる扱い。10月2日発売の『週刊少年ジャンプ』44号では、“最強対決”に続く新たな戦いの勃発が描かれたものの、そこでもまた新たな論争の火種が生じている。

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※『呪術廻戦』最新話の内容に触れています

前回、世界そのものを切断する斬撃を習得し、五条を打ち破った宿儺。第237話「人街魔境新宿決戦(14)」では、そこに乱入してきた“雷神”鹿紫雲一との戦闘が始まる。

鹿紫雲は命を賭けた一度きりの術式「幻獣琥珀」を解放し、人間を凌駕する肉体性能を手に入れると、猛スピードで畳みかけていく。宿儺は五条戦でのダメージを引きずっているのか、防戦一方という様子だった。しかしそこで受肉による変身を利用し、肉体を修復するという秘策を披露する──。

五条は死闘のなかで宿儺の脳にダメージを与え、領域展開を封じた他、魔虚羅を始めとした式神を削りきるなど、大きな爪痕を残していた。ところが今回、突如宿儺が回復を果たしたことで、一部の読者から「五条の犠牲が無駄だったように見える」という不満が爆発してしまったようだ。

「そもそも前回勝負が決着した時点で、ネット上は大荒れしていました。最強キャラの五条が死亡した衝撃だけでなく、後に残された生徒たちを心配する素振りも見せず、満足そうな顔を浮かべていたことなどを《解釈違い》と訴える読者が相次いだのです。

さらに今回、五条の犠牲の意味がさらに薄れるような展開があったことで、読者の絶望が一層深まっている様子。『ONE PIECE』マリンフォード頂上戦争のエースのような扱いを受けつつあります」(エンタメ誌ライター)

実はほとんど戦果を残していない最強術師

“現代最強術師”の肩書きをもつ五条だが、物語の最初期から振り返っても、実はあまり目立った戦果を残していない。戦闘不能にした相手は、交流会編の組屋鞣造や渋谷事変の花御くらいだ。

「バトル漫画において、強すぎるキャラクターは作中のパワーバランスを崩壊させてしまうもの。五条が意外と大物を倒す活躍をしていないのは、物語を成立させるうえで仕方がないことでしょう。

ただ、今の危機的状況は、そもそも五条が宿儺の指を取り込んだ虎杖を保護したことが発端となっています。また、指を15本しか手に入れていなかった宿儺との戦いを約1カ月延期し、ほぼ全力を取り戻させた上で敗北しているので、いろいろと“戦犯”扱いされる要素が揃っていますね。

ですがだからこそ、五条がこのまま何の活躍もなく退場するわけがない…と信じる読者は多いようです」(同)

五条は宿儺との戦いを延期するにあたり、モノローグで何らかの計画があることを匂わせていた。今後、その内容が明らかになり、一気に株が上がる可能性もありそうだ。

いずれにしろ、「呪術廻戦」が連載開始以来の盛り上がりを見せているのは事実。これだけ多くの読者を手のひらの上で踊らせる芥見下々は、現代最強の漫画家かもしれない…。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ
■『呪術廻戦』23巻(芥見下々/集英社)

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