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新型コロナウイルスの影響で、「リーマンショック以来の大不況」とも言われる状況が続く日本。昭和の時代には終身雇用なんて制度もあったが、もはや会社など信用できる存在ではない。この連載記事では、自分の力によって苦境を乗りきるため、驚くほど稼げる(かもしれない)副業について伝授していこう。
今回紹介するのは、日本が世界に誇る「オタク活動」の一種。ネット上で自身の漫画作品やイラスト集、小説などを販売する『DL(ダウンロード)同人』だ。あまり聞き馴染みがないかもしれないが、「同人」とは企業や出版社を介さず、同じ趣味の人間が集まって創作物を生み出すことを指す。
そもそも同人のメリットとしては、出版社を介さないため、売り上げをすべて自分のものにできる…という点がある。とはいえこれまで主流だった同人活動では、コミックマーケットなどのイベントに参加し、直接自身の作品を売らなければならなかった。その場合、イベントに参加して儲けを得られる人の割合はわずか2割ほど。出展費用や本の印刷費がかかるため、赤字になってしまうケースが多かった。
しかし、元手がかからない〝ネット上の同人活動〟ならどうだろうか。「DL同人」はダウンロード販売サイト内で電子書籍のようにデータだけを販売していく。手数料はひかれてしまうが売れた分だけ利益になるため、全く売れなかったとしても決して赤字にはならないのだ。
「DL同人」なら作家の取り分がガッポリ?
概要やメリットを説明したところで、具体的に稼ぐための方法を伝授していこう。実際に「DL同人」で生計を立てている漫画家によると、
「どのサイトも大体、設定価格が高いほど作家の取り分が増えるので、最低でも600円で売れる作品を作るのがポイントでしょう。取り分に関して例を挙げると、某サイトでは300円で売れた場合の還元率は3割ほど。600円の場合は5割ほどになります。たとえば3万円の利益を目指すとして、600円の作品なら100個売るだけで目標を達成できますが、300円の場合には300個売らなければなりません」
「また、競合が少ないニッチなジャンルの作品を販売するのもおすすめです。というのも、クオリティが低くても買ってもらえる可能性が高いから。500円でも2,000円だとしても、ニッチなジャンルは作品数が少ないので買わざるを得ない…というのがオタクの心理なんです。確実に売れる保証はありませんが、やってみても損はないでしょう」
とのこと。
もちろん、多少の絵心は必要かもしれないが、「DL同人」ならリスクを恐れずに誰でも挑戦できる。不景気な昨今、この敷居の低さは魅力的だろう。趣味と実益を兼ねて、自分が好きなジャンルの創作物を生み出してみてはいかがだろうか。
文=城門まもる
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