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各メーカーからさまざまな種類が販売されている「生理用ナプキン」。表面に花やリボン、ハートなどキラキラした乙女チックなモチーフが用いられていたり、中にはフローラルな香りが付いた商品まである。“ブルーな気分を少しでも明るく”という企業努力がうかがい知れるが、使っている側の女性にはいろいろと思うところがあるようだ。
今年10月、「無印良品」からかつてないほどシンプルな「生理用ナプキン」が発売された。同商品はパッケージから中身まで白一色で、乙女の世界とはかけ離れた無味乾燥なデザイン。さらにナプキンは無地のクラフトボックスに収納されており、見た目では生理用品だと判別が付きにくくなっている。
華やかなデザインのナプキンに食傷気味だった女性は多いようで、ネット上では《これはいい。トイレにそのまま置いても違和感がない》《レジで並んでいる間も周りを気にしなくて済む》《私たちを生理の憂鬱から救うのはハートとか星のパッケージじゃないんだよ。シンプルイズベスト》《そもそも自分の血で赤く染まったリボンを見て誰が喜ぶ? 無地でいいのよ!》と絶賛の声が上がっている。
その一方、「既存のナプキンで問題ない」と考える人からは、《こういうシンプルなものを持ち上げる時って、大体既存のデザインをdisるのやめてくれないかな…。かわいいデザインに憂鬱さを救われてる女もここにいるので》《生理関係で主語をでかくして語られると、同じ女性としては正直迷惑。パッケージなんかどうでもいいのでコスパと機能派です》などのような意見も。
そもそも現在の生理用ナプキンにおけるキラキラとしたデザインは、生理にまつわるネガティブなイメージを覆すために考案されたものだった。時代が移り変わるにつれて、消費者のニーズも変化しつつあるのかもしれない。
生理用ナプキンの「交換時」も悩みの種に
またネット上では、生理用ナプキンについて「見た目より、パッケージから出す時に音が鳴りにくくしてほしい」「ハンカチの内側に隠せる薄いものがほしい」と願う声も上がっている。ナプキンに求める機能は、人によって大きく異なっているようだ。
中でも目立つのは、ナプキンを交換する際の悩み。昨年12月に大王製紙株式会社が実施した「生理に関する意識調査」によると、「仕事中に生理用ナプキンを交換したい時にできない、または長時間できなくて困ったことがある」と答えた女性の割合は全体の66%。アンケートに答えた人からは、「ポーチを持って移動するとあからさまに生理用品を持っているように感じるため、夜用のタイプのものを使用して、交換しなくても大丈夫なようにしている」という声も上がっていた。
生理用ナプキンはデリケートなアイテムだからこそ、体質や用途に合ったものを選ぶのが大切。さまざまな選択肢が増えることで、その分多くの人が救われるだろう。
文=川崎かほ
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