『鬼滅の刃』は業界人気もナンバーワン? Twitterで鬼滅マンガを描く作家たち

『鬼滅の刃』1巻(C)吾峠呼世晴/集英社

いまや社会現象となっている大人気作品『鬼滅の刃』。10月16日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は公開からわずか24日間で興行収入200億円を突破するなど、その人気はとどまることを知らない。そんな「鬼滅の刃」は同業者たちにも注目されており、ツイッター上ではさまざまな“鬼滅マンガ”が投稿されているようだ。

まずツイッターを覗かせていただいたのは、元ジャンプ作家の鈴木信也先生。2001年から2006年にかけて『週刊少年ジャンプ』で野球ギャグマンガ『Mr.FULLSWING』を連載。ちなみに同作の巻数は全23巻で、奇しくも「鬼滅の刃」の完結が予定されている巻数と同じになっている。

そんな鈴木先生は10月28日、「大切な親友が鬼になった話を描きました」というメッセージと共にオリジナルマンガを投稿。作中には「Mr.FULLSWING」のキャラクターたちが登場し、「鬼滅の刃」を意識したパロディを4ページにわたって繰り広げていた。

作品内では「鬼滅の刃」の人気キャラクター・伊之助のセリフ「猪突猛進!! 猪突猛進!!」がそのまま使用されていたり、登場人物が「ワシがねづこじゃ~~!!!」とキャラクター名を叫ぶシーンも。

やりたい放題のハイテンションギャグは大きな話題を呼び、1.4万以上のRTを記録。ツイッターユーザーからは、《ミスフルが鬼滅パロってる! でも面白いからOKです!》《柱の人々ってミスフル感あると薄々思ってたけど、まさか公式がやるとは!》《両方ともジャンプだからセーフ》《適役多すぎでは?》《すげぇ本家リスペクトー!って思ったらミスフルご本人じゃねぇか》と大きな反響が上がっている。

鬼滅パロディから人気キャラの研究まで…

続いて紹介するのは、同じく元ジャンプ作家である小栗かずまた先生のツイッター。代表作にしてデビュー作でもある『花さか天使テンテンくん』は、「週刊少年ジャンプ」で1997年から2000年まで連載された作品だ。

見ていただきたいのは、10月24日に「わかる人にだけわかればいいパロ漫画④」というツイートと共に投稿された1ページ完結のマンガ。気になる内容は、「花さか天使テンテンくん」の主人公・テンテンくんが「鬼滅の刃」の煉獄杏寿郎のような顔つきでお弁当を食べていく…というもの。「わかる人にだけわかればいい」と銘打っているものの、おそらく全国民がわかるパロディだろう。

そして最後に紹介するのは、これまでと一転して硬派な作風で知られる渡辺潤先生。代表作は、『週刊ヤングマガジン』で1990年から2004年にかけて連載されたSFヤクザマンガ『代紋TAKE2』。渡辺先生は同作において作画を担当していた。

今年3月、渡辺先生はツイッターに「萌え探索のラフ→完成。鬼滅のねずこちゃんは、比較的スルッと描けたパターン」という文章と共に、「鬼滅の刃」のヒロイン・竈門禰豆子のイラストを2枚投稿。ペン入れまで済んでいるイラストの方には「女子の顔に青筋!! 鬼とはいえ…なかなかできないよ」「普段はタレ目。怒るとツリ目。わかりやすい表現ではあるが描き手としてはコワい」「ねずこは竹の口かせや着物等、一発でわかる。これが強いキャラだよなぁ」などと、禰豆子に対する考察が書かれている。

ヤクザマンガの作者と「鬼滅の刃」という意外な組み合わせに、SNS上では《プロって凄いな。画力の高さと、分析能力が半端ないもの》《ホントよく研究されてますね!》《萌え探索って奥が深い♪ 先生の描く禰豆子ちゃんもかわいいですね》《代紋描いてた先生が萌え絵を描く…何度見てもギャップ萌えがたまらんです」といった反応が続出していた。

マンガ家にも強い影響を与えている「鬼滅の刃」。SNSなどで作品の魅力が発信されることで、さらにブームが加熱していくかもしれない。

文=雪之丞

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