“悪魔の3歳児”とどう向き合えばイイ…?「脅し育児」から抜け出す方法

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子どもは、なかなか親の思うように行動してくれないもの。とくに自我が芽生え始める2~3歳児は「魔の2歳児」「悪魔の3歳児」と呼ばれることもあり、手に負えないことも…。言うことを聞かない子どもに対して、つい〝脅し育児〟をしてしまうこともあると思うが、その方法は果たして正解なのだろうか…?

まず〝脅し育児〟を説明しておくと、子どもが駄々をこねている時に「そんなことばかりしているなら、ママはどこかへ出ていくよ」「悪い子は鬼に迎えに来てもらうからね!」などと、子どもを脅し、言うことをきかせようとする行為のこと。とある女性は、3歳児と下の子どものお世話を同時進行しているそうで、出かける間際にグズって行きたがらない子どもに「ママ1人で行ってくるね」と言ったり、野菜を一口も食べなかった時に「じゃあもう今度から○○(お気に入りのドリンク)を買ってあげない」と脅してしまうという。

イケないと分かっていても、ついつい脅し育児をしてしまうもの…。ネット上では《わかるよー! わかる。つい言っちゃうよね》《3歳の娘を育てているけど、私もやってしまう! 毎日、後悔や罪悪感でいっぱい》《あるあるだよね。12月は「そんなことしてるとサンタさん来てくれないよ」がもはや口癖だわ》といった共感の声が上がっている。

そんな悩めるママたちに対して、脱・脅し育児をするためのアドバイスを送る人も。《脅し育児をしていると、いつか脅しが通用しなくなる日が来る。「こうした方がいいかもよ?」って提案する方が意外と効果あるし、気持ち的にも楽だよ》《まわりくどく優しく言おうとした結果、脅し育児になっちゃうなら、「○○しなさい!」ってストレートに叱っていいと思う》《〝ごっこ遊び〟を取り入れるといいよ。我が家はよく隊長ってワードを使ってる。お風呂に入りたがらない時は「隊長! お風呂に人質がいるみたいです! 救出しましょう」とかね》《2択にして選ばせる! どっちを選んでも親には都合がいい選択肢にして、かつ子どもも自分の選択だと思ってるから納得しやすい》などと、具体的な方法が多数挙げられていた。

育児につきまとう「ダブルバインド」

2つの矛盾した命令の間で板挟みになり、最終的には従わざるを得なくなる〝ダブルバインド〟──脅し育児はその典型だと言える。たとえば、「勝手にしなさい」という言葉はそのまま受け取ると「自由に振る舞いなさい」という意味になるが、実は「勝手にするな。言うことをきけ」という言外の意味を含んでおり、子どもを混乱に巻き込むことになってしまう。

ダブルバインドを繰り返すと子どもは悪影響を受け、自己肯定感が低くなったり、愛情を素直に受け取れなくなったりする場合も。実際にダブルバインドで育てられた人からは、《いつも逃げ場がない状態だった。今はもう、親とは精神的に距離を置くようにしている》《何をしても罪悪感が生まれ、自分の頭では考えない・考えられなくなってしまった》といった苦しみの声が上がっている。

「魔の2歳児」「悪魔の3歳児」を育てるのは、一筋縄ではいかないことは確か。時には脅し育児をしてしまうこともあるだろう。無理をせず、自分の子どもに合った言い方を探していくのがベストかもしれない。

文=川崎かほ

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