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1970年代に家庭向けのパソコンが発売されてから、早50年。パソコンは今や私たちの生活に欠かせない存在だと言えるだろう。そんなパソコンをめぐって、世間には『Windows』派と『Mac』派の2つが存在し、どちらを使うべきなのか度々論争が巻き起こっている。
言うまでもないかもしれないが、「Windows」と「Mac」の大きな違いは、アプリやデバイスを動作させるための基本となるソフトウェア〝OS〟。「Windows」はビル・ゲイツとポール・アレンによって設立された『Microsoft』が開発したもの。その一方、「Mac」を手掛ける『Apple』の創業者はスティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェインの3人だ。
大前提として日本の企業はほとんどが「Windows」のパソコンを使用しているのだが、その背景には〝ソフトウェアの互換性〟が絡んでいる。というのも、「Mac」は対応しているソフトウェアが「Windows」に比べて少なく、事務作業などに支障が出るからだ。純正アプリや代替となるソフトがあるものの、利便性の点で「Windows」に劣ってしまうと言えるだろう。
ネット上で「Windows」派の人々による意見を探してみると、《職場がWindowsを使用しているし、Macを使用する利点が見つからない》《価格も高いし、スペックも悪い。Officeのソフトもスムーズに使用できないしね》《大学生以外でMac使ってる人みたことないな》といったものが多く上がっている。
必死に「Mac」を擁護する人も…
「ではMacに利点はないのか?」と思うかもしれないが、そうとも言いきれないようだ。「Mac」のモニターは発色が良いため、モニターによって色の差異が出にくいのが特徴。またデフォルトの状態でインストールされているフォントがかなり多いため、デザイナーやフロントエンジニアといった業種の人は、「Windows」よりも「Mac」の方がいいのかもしれない。
実際に「Mac」派の人々からは、《普通に買ったら高いフォントがタダで使えるのは有り難い》《彩色のときはMac一択! Windowsはデザイナーに向いていない》《iPhoneと連携できるのがよき》といった意見が多く見られる。
とはいえデザイナーが「Mac」を使用する人ばかりかと言うと、そうでもない。一般ユーザーのシェア率は「Windows」の方が圧倒的に高いからだ。「Mac」と「Windows」で同じ画像を表示しても、ディスプレイ性能に差があるせいで違う見え方になってしまったり、フォントがうまく表示されない…といったハプニングが起こりうる。それを防ぐために、デザイナー業界では「依頼者と同じ環境を使ってデザインをするべき」という考え方が広まっているようだ。専門職についている人や大学生以外のほとんどの人々が「Windows」を使用しているため、デザイナー業界はいわば取り残された状況にあったのだろう。
もちろん一長一短はあると思うが、特別な職に就いていたり、世間に逆張りしたい人でなければ「Windows」を選んでおくのが無難なのかもしれない…。
文=城門まもる
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