ひろゆきは男同士のセクハラを否定… 日本社会に根づく「同性」へのセクハラ問題

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人間としてやってはいけない言語道断の行為・セクハラ。男性から女性へのセクハラばかりが取り沙汰されるが、女性から男性へのセクハラも決して行なってはいけない。一方、同じ行為にもかかわらず、日の目を見にくいのが〝同性〟へのセクハラだ。

11月27日、AbemaTVで生配信された『報道リアリティーショー#アベプラ』で、この問題が話題にあがった。この日は、「性について悩んでいる人に寄り添いたい」「女性発信の〝アダルトトーク〟に批判」「男女問わず性事情を披露するのはセクハラ?」といったテーマの下、有識者はじめ、出演者一同が討論。番組後半、世間で注目されにくい「女性から男性へのセクハラ」が話題になったところ、番組レギュラーのギャルタレント・あおちゃんぺが、さらに踏み込んだ〝同性同士〟のセクハラについて語り始めた。

あおちゃんぺは、「経験談として、女の子にそういう話(アダルトトーク)をされて『いや私そういうのあんまり…だから聞かないで』って言ったら、『いや別に自分だって生きていく上でしてんるんだから~』みたいな、強制みたいな」と実体験を告白。さらに、「同性のセクハラも…多分、一番それが問題視されづらいと思うんですよ。それも考えていきたい」と、隠れがちな問題にスポットを当てる。

画面にも、女性同士でのセクハラ事例と問題点について「プライベートな性生活を聞く」「大っぴらに性生活を披露する」「ボディータッチ」「〝女性同士だからOKでしょ〟という勘違い」と表示されることに。クリエイターの陳暁夏代氏も同様の体験談を述べたのち、「男女逆だったらどうかを考えれば…」と、シンプルかつ効果的な解決方法を提言した。

男性同士でもセクハラは存在する?

すると、ここでMCのひろゆきこと西村博之氏が、「女性同士って旅行とか行くと胸とか触り合いますけど、何でなんですか? 男性同士でそういうのほとんど聞いたことないんですけど」などと疑問を述べはじめる。

お得意の横槍パターンだが、実際には男性同士でもふざけて股間を触ったり、太った相手の腹部を触ったりはするものだ。女性陣も「女性だけとは限らない」と反論し、ハラスメント対策専門家の倉本祐子氏は「会社で上司が挨拶代わりに股間を触ったり…」と実際の事例を紹介。番組でも異論が上がる形となったが、西村氏は笑い飛ばすように「僕の周りでそんな人いないですよ」などと主張し、自身の周囲という狭い世界を引き合いに、それを一般化する暴論を繰り広げたのだった。

色眼鏡による偏見はさておき、女性同士・男性同士のセクハラについて、世間の声は──。掲示板や質問サイトを見ると、《急に後ろから肩揉まれてビクッとした》《ノリでさわってくるだけじゃないの?》《ただの戯れレベル。深い意味はない》など、意見はさまざま。問題意識を持つ者からセクハラとは感じないという者まで、幅広い立場の意見が見られる。

さらに、嫌悪感を抱いたという投稿を探していくと、《友達が肩に手を置いたり、寄っかかってきたりすると、振り払いたくなります》《童貞なのをバカにするのもセクハラ》《修学旅行の風呂でアソコを見せるノリが正直苦痛だった》などなど。直接的なボディータッチから、「アベプラ」でも話題になったアダルトトークまで、多方面での被害報告が上がっている。

セクハラに性別は関係なく、どんな相手でも成立しうる。この厳然たる事実は、世間一般がもっと共通認識とするべきだろう。

文=大上賢一

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