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「二次創作」といえばアニメやマンガなどを元に、ファンが原作にはないストーリーを作り出す文化。独自の進化を遂げてきた日本のサブカルチャーの中でも、とくにユニークな産物として知られている。しかしネットの一部では、「絶対に二次創作を許せない人」の存在も確認されているようだ。
11月22日、匿名ブログサービス「はてな匿名ダイアリー」上でとある投稿が話題を呼んだ(現在は削除済み)。「ファン活動としての二次創作を許容しなければならない空気感と文化を破壊したい」と題したその記事は、「二次創作が嫌いだ」という強烈な一文から始まるものだった。
投稿者は専業で生活できるレベルの漫画家で、自身の作品をめぐって二次創作が作られることもあるという。しかし現在の日本では、創作を行っているクリエイターが「二次創作活動を認めることを強制されている」と感じているそうで、「それが、すごく嫌だ」と苦悩を綴る。
投稿者によると、作品は作者自身のものであり、キャラクターやストーリーは精神や魂を削って描いているもの。それを好き勝手されると嫌な気持ちになることがある…というのが、二次創作を拒絶する理由らしい。
しかし個人クリエイターは読者から嫌われると未来がないため、表立って主張することはできない状態。むしろファンコミュニティでは、二次創作は尊いものとして扱われており、作者が口出しできない空気感が醸成されている…というのが主な論旨だ。
二次創作文化を正面から批判した投稿は、SNSなどで激しい賛否両論を招くことに。主張に共感する人からは、《やっぱこう思う作家さんもいるよね…》《二次創作の大前提は「グレーゾーンだが原作者にお目こぼししてもらってる」であり、「許容しなければならない」はおかしいんだよな》《二次創作が嫌いでも、それを言い出しにくい雰囲気は確かにある》《作品は作者のものだからね。大歓迎な人もいれば勘弁して欲しい人もいるよね》といった意見が。
その一方、《気に入らないなら自分の作品について二次創作禁止のガイドラインを作ればいいじゃない。仮にもクリエイターが「文化を破壊したい」などと言えちゃうセンスには疑問を感じるよ》《そんなに気に食わないなら悪質なものは訴訟起こすなり、法改正を訴えるなりするしかない。商売に影響が出るからそれはしたくない、というのは流石に甘えでしょう》といった反発の声も上がっている。
二次創作をめぐって渦巻く愛憎…
二次創作文化に対して攻撃的な感情を抱く人は、以前から存在していたようだ。彼らは一体どんな主張を繰り広げてきたのだろうか。