息子がオタクになった…どうすればいい? 子どもを「噓つき」にしないための心得

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成長と共に、子どもの世界はどんどん広がっていくもの。親があずかり知らない部分が増えていくのは当然のことだろう。しかしその方向性によっては、親として不安を覚えてしまうことも。とある掲示板では息子が「オタク」化していくという悩みが投稿され、注目を集めているようだ。

投稿者の子どもは現在、高校1年生。最近“オタク”的なアニメにハマっているようで、「洋画を観に行く」と嘘を吐いてアニメ映画を観に行ったらしい。女性は息子がオタク化していることや、休日に一緒に出かけるような友達がいないことから、この先「他人とコミュニケーションがとれない大人」になるのではないかと懸念していた。

しかし、息子のオタク化を杞憂する女性に対して、掲示板上では批判の声が。《自分が知らないものは全て悪なの? アニメやゲームが好き=コミュニケーション力の低下? まったくばかばかしい》《みんな何かしらのオタクだと思う。アニメはダメで野球ならOK、マンガはアウトで小説だとアリ…みたいな考えはおかしいよ》《アニオタ全てがコミュ力ないわけじゃない。息子さん、学校には友達いるかもしれないじゃん》といった声が上がっている。

また、問題はオタク云々ではなく、嘘を吐いたことにあると指摘する人も。《わざわざ嘘をついて映画を観に行かなきゃいけない環境がショック。お母さんに言っても理解されないって、息子さんが判断したってことでしょ?》《自分の好きなことを否定されるのが嫌だから、仕方なく嘘を吐いて出かけた息子さんがかわいそう》など、理解が欠如している親に対する批判が相次いでいた。

禁止すればするほど魅力は増す?

実は社会心理学では、「人間は厳しく禁止されたことに魅力を感じるようになる」という説がある。その説を立証したのが、1963年にアロンソンとカールスミスという研究者が行った実験だ。

まずは幼稚園児に対し5種類のおもちゃを用意し、好みの順番を聞いておく。そして2番目に好きだと言ったおもちゃのみ、遊ぶのを禁止するのだ。その際は、「このおもちゃで遊んだら厳しく罰する」というグループと、「このおもちゃで遊んだら困っちゃうな」と穏やかに禁止するグループに子どもを分ける。しばらく遊ばせたあと再度好みの順番を聞くと、厳しく禁止されたグループは、2番目に好みだったおもちゃへの関心が増しているという。

これはおもちゃに限った話ではなく、さまざまな趣味嗜好に当てはまるはず。大人になった後、かつて親から禁止されていたものにドハマりした…という人は多い。実際にネット上では《勉強の妨げになるからマンガは読んじゃダメって言われてたけど、今は反動で読み漁ってる》《チョコとコーラを買ってもらえなかった反動で、バイト代で好きなだけ買って食べるようになった》などの経験談が多く上がっている。

そうして目覚めた趣味は、親には言えずに隠し通すことになるもの。親目線で言うと、趣味をコントロールしようとした結果、子どもが「嘘を吐くようになった」という皮肉な結果に行きついたことになる。

そもそも子どもの趣味嗜好や、性格や生き方を親が強制することはできない。ただ、いつまでも子どもと本音で付き合えるような関係性を築くことは、努力次第で可能だ。本当に子どもの幸せを願うのであれば、頭ごなしに否定せず、温かく見守ってあげることが大切なのかもしれない。

文=川崎かほ

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