人間の欠点は親で決定? ひろゆきの持論も話題の「人間は親で決まる」論

(C)PIXTA

この世に生を享けた者である限り、誰もが何かしらの欠点を抱えているもの。欠点のない人間など存在せず、あとは大なり小なりの程度問題だ。有史以来共通の課題だけに、未だ議論が尽きないテーマでもある…。

2020年現在、欠点の生まれる理由を親譲りだとする考え方が注目を集めている。今年12月に某掲示板に立った「自分の欠点を親のせいにする人、いますか?」というスレッドもその1つだ。スレ主は友人にそうしたタイプの人間がいるようで、遅刻を注意すると「お母さん譲りだから~」と言われ、食事のマナーが悪いことを指摘すると「親が教えてくれなかったから~」と言い返してくるそう。しかし、「それは言われて当然でしょ?」と思うことばかりで、内心はうんざりしているそうだ。

この投稿に対して、掲示板内では《食事マナーって親の責任じゃない?》《なんでもかんでも親のせいにするな》《ずんぐりむっくり体型ですが、それだけは(心の中で)母のせいだと思っている》《遺伝というものは努力してもなおせないからね…》といった声が。賛否両論渦巻くあたり、やはり人類普遍のテーマであることが分かる。

真実として証明されつつある「人間は親で決まる」論

「人間は親で決まる」という考え方は、実は最近ツイッター上でも話題になっていた。12月13日、情報サイト『PRESIDENT Online』が、2ちゃんねる元管理人・西村博之氏の著書を再編した記事を配信。「東大生の多くは本人の努力より、親が金持ちだったから合格した」というセンセーショナルなタイトルや、西村氏本人がツイッターで補足・解説を行ったことで注目を集めた。

記事において西村氏は、ジョンズ・ホプキンス大学の社会学者、カール・アレクサンダーによる調査の結果を紹介。その調査によると、家庭環境などの事情で貧しい生活を送っていた子どもは、ほとんどが貧困層のまま固定される傾向が。その一方、恵まれた環境の子どもは成人してからも経済的に豊かな生活を送れるのだという。

西村氏は他にもさまざまなデータをもとに、子どもの人生や将来が親に左右されやすいことを指摘。この点を分かりやすくまとめたツイートは、6,000件以上の「いいね」を獲得していた。

西村氏が指摘する以前から、高学歴の子どもの家庭は世帯収入が高いというデータは度々話題を呼んでいた。家の財布に余裕があると、幼いうちからレベルの高い教育を受けて難関大学へ進学できる。すなわち格差は再生産されるものなのだ。

また親から受け継ぐものは、学歴や収入だけではない。個人の人間性を決定する上で重要な「DNA」も、子どもが自ら選べない要素だ。容姿や身体能力、薄毛やアレルギーなど、身体的な要素はほとんどの場合、生まれた時点、いや胎児の段階からDNAによって運命づけられてしまう。双子を異なる環境に置き、遺伝と環境のどちらが影響を及ぼすか検証した「双生児法」なる実験でも、IQは成長すればするほど遺伝の影響が大きくなる…という結果が出ている。

とはいえ、遺伝が人格形成に与える影響を理解している人間はまだ多くない。現在の日本社会で「親のせい」と訴えても、「甘え」「言い訳」とキッパリ断じられるのが関の山だろう。自分の遺伝的な特徴を理解した上で、その欠点を埋め合わせるため、努力していくのが賢明かもしれない。

失敗した者に厳しく、再チャレンジが困難だと言われている日本社会。その成功・失敗という結果ですら、生まれ育った環境や遺伝に大きく左右されるとしたら、何とも酷な話だ。個人の努力ではどうにもできない部分をフォローするためにも、今後は「機会の平等」が担保された社会作りが求められるだろう。

文=大上賢一

【画像】

タカス / PIXTA

【あわせて読みたい】