新時代の『ドラえもん』ジャイアンがコンプラを意識しまくり! あの“名シーン”の削除を求める声も…

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藤子・F・不二雄のマンガを原作とする、国民的アニメ『ドラえもん』。老若男女問わず、あらゆる層から愛されてきた作品だが、最近ではとある描写が「時代遅れ」だとして激しい反発を招いているようだ。

発端となったのは、署名サイト「Change.org」上で12月上旬にスタートした「#ドラえもんのお風呂シーンのカットを希望します」というキャンペーン。署名活動を立ち上げた人は「ドラえもん」から友情や勇気を学び、子どもにもそれを伝えてきた。しかしその一方で、「のび太によるしずかちゃんのお風呂覗きシーン」に憤りを感じているという。

作中ではコミカルに描写される“覗きシーン”だが、もし現実に行われればイタズラでは済まない行為。覗かれた女性は一生恐怖を植え付けられる可能性もあるため、「ドラえもん」のような子ども向けの人気アニメで軽々しく描くものではない…というのが、同キャンペーンの主張だ。

たしかに「ドラえもん」は、多くの子どもが幼少期から親しんでいる作品。その影響力を重く見る人は多いようで、1月7日の時点で約1万5000人弱の署名が集まっている。またTwitter上でも「#ドラえもんのお風呂シーンのカットを希望します」と、同名のハッシュタグが大盛り上がり。《もう令和だし。そろそろ本気でなくしてもいいシーンだと思います。むしろ残しておくことはドラえもんにとってマイナスにしかならないのでは》《たくさんの子どもたちが楽しむアニメにああいうシーンはいらない》《そもそも未だにお風呂シーン入れてたの?とびっくりした》《ドラえもん好きだし、藤子・F・不二雄大好きだからこそ賛同したい》といった声が上がっていた。

その一方、SNS上では反対意見として《じゃあドラえもん見せなけりゃ良い。学校指定の教科書じゃないんだし、嫌なら見ない・見せないって権利を行使しろ》《アニメに影響受けて悪ふざけする子どもはそりゃいる。だけど、そういう奴は他のことでも悪ふざけするよ。一つの例だけ取り上げて「規制だ!」と声を荒げるのは違う気がする》《自分で「セクハラだから駄目」ってきちんと教えりゃ覚えるよ。「アニメの影響力は強いから」はただの教育放棄や教育失敗》といった主張も繰り広げられている。

令和らしい「ドラえもん」に変わるべき?

時代の流れや社会の変化に応じて、フィクションの設定は徐々に変わっていくもの。「ドラえもん」に関しても例外ではなく、野比家の間取りなどさまざまな点で変化が見られる。キャラクターに即した描写としては、ジャイアンが自転車用ヘルメットを着用していたり、スネ夫が最新のパソコンを持っていることが話題を呼んできた。

その一方、今回やり玉にあがった「入浴シーン」のように、以前からお馴染みの描写も多く残っている。たとえばのび太がうっかりミスをやらかし、担任教師から「廊下に立ってなさい」と命じられるシーン。2014年に公開された映画『STAND BY ME ドラえもん』でも、のび太が遅刻しただけで廊下に立たされる場面が存在する。

現実的に考えると、教育現場における体罰の扱いは年々デリケートになっており、生徒を廊下に立たせる教師は少なくなっているだろう。原作では時代設定が1970年代とされているため、おかしいことではないのだが、現代のコンテンツとしては違和感が大きすぎる「昭和しぐさ」だと言えるかもしれない。

どんなジャンルでも、時代によって視聴者が受け入れやすい表現は変わっていくもの。「同じ表現を続ける」ということもまた、1つの選択の結果でしかない。変化を望むにせよ、望まないにせよ、自分なりの考え方でコンテンツと向き合っていくべきだろう。

文=大上賢一

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