『シティーハンター』に『GS美神』…少年マンガの「下半身で動く主人公」は時代遅れ?

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熱血漢やクールな二枚目など、物語の主人公にはさまざまなタイプがあるもの。以前は人気だったが、いつのまにか時代遅れになってしまった…というキャラ付けも存在するだろう。とくに現代では、「下半身で動く主人公」が“化石”のような扱いを受けているようだ。

某掲示板では最近、下品で欲望をあらわにした主人公をめぐる議論が盛り上がることに。そこで真っ先に名前が挙がったのが、1990年代に『週刊少年サンデー』で連載された『GS美神 極楽大作戦!!』の主人公・横島忠夫だった。

横島は除霊を生業とする美神令子のアシスタントを務める男であり、よこしま(邪)という名前の通り、その内面は邪念に満ちている。入浴中の美神を覗こうとするのは日常茶飯事で、女体であれば幽霊であっても押し倒そうとするほど。現代の価値観からすると“セクハラ男”という扱いになりそうだが、キャラクターとしての人気は意外なほどに高い。

また、1985年から『週刊少年ジャンプ』に連載された『シティーハンター』もやり玉に挙がった作品の一つ。同作の主人公・冴羽獠は、言わずとしれた女好きのキャラ。時おり描かれる下半身の“もっこり”描写は、最近のマンガでは考えられないほどストレートな性欲の表現だと言えるだろう。

現代の感覚とかけ離れたこれらの主人公に対して、掲示板上では《横島くらい下品だと流石に今はウケないと思う》《最近は主人公がヒロインの着替え覗いたりしないってのは実際そう》《今時だはーっとか鼻血ブーとかキッツいよね…》《不快な要素を出来るだけ排除しないと今はウケない》といった指摘が上がっていた。

キャラクターも草食化する時代に…

「シティーハンター」と同じジャンプマンガでいえば、1988年から1995年にかけて連載された『ジャングルの王者ターちゃん』も主人公が破廉恥だったことでお馴染み。また主人公という括りをなくすなら、『ドラゴンボール』や『ダイの大冒険』といった大ヒットマンガにも欲望に忠実なサブキャラが登場していた。

ただ、「ドラゴンボール」で亀仙人やクリリンにまつわる下ネタ系のギャグが描かれていたのは物語の初期。途中から硬派なバトルマンガとなっていったことを思えば、やはり時代の変化というのは大きいのかもしれない。

実際のところ、2000年代以降はスケベな性格のキャラクターを見かける機会が格段に減っている。たとえば『To LOVEる -とらぶる-』はお色気シーン満載のラブコメ作品でありながら、主人公・結城梨斗は中性的で性欲をほとんど感じさせないキャラ造形だった。当時は現実においても奥手な男性が増え、“草食化”が進んでいると言われていたが、マンガの中でも同じことが起きていたようだ。

他方で、そうした男性キャラの草食化に不満を抱く読者も多い。その理屈としては、主人公は読者が感情移入する対象であるため、性欲が描かれていないと「不自然だ」ということらしい。ネット上で肉食系キャラを求める人の声を見てみると、《主人公に感情移入してヒロインとエッチなことがしたい》《胸とか尻見ていやらしい目つきするくらいがちょうどいい》といった意見が上がっている。

時代の価値観は、数十年も経てば大きく変わっていく。その内、ふたたび肉食系キャラが覇権を握る日も来るのかもしれない…。

文=大上賢一

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