『エヴァ』や『まどマギ』の共通点って?「最終回が延期されるアニメは名作」という法則

『新世紀エヴァンゲリオン』(漫画:貞本義行、原作:カラー/KADOKAWA/角川書店)

新型コロナの感染拡大に伴い、映画館ではさまざまな作品が公開スケジュールの変更を余儀なくされることに。人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズの完結作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』もまた、公開延期となった作品の1つだ。同作は当初2020年6月に公開される予定だったが、コロナ禍によって二度にわたる延期を強いられている…。

とはいえ、注目を集めているアニメの最終回が延期されるのは、別に珍しいことではない。過去に話題を呼んだ作品群をチェックしてみると、むしろ「最終回が延期されるアニメは名作」という法則性が浮かび上がってくる。

もっとも有名な例は、2011年に放送されたTVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』(MBS・TBS系)。同作は完全オリジナルアニメであり、人気シナリオライター・虚淵玄による意表を突く展開によって1話ごとに大きな反響を呼んでいた。しかし3月11日に発生した東日本大震災の影響によって、物語のクライマックスにあたる第11話と第12話は放送休止となってしまう。

普通の作品であれば、最終回まで時間をあけたことで勢いが失われてしまったかもしれない。ところが同作の場合には、より一層口コミでの人気が加速していった。約1カ月後、大手新聞にて大々的に広告が掲載され、TBSでは第10話から最終話までの3話連続放送が行われることに。当時の盛り上がりについて、ネット上では今でも《まどマギ最終回の3話連続放送は伝説だった…》《震災でいろいろ混沌としてた中で、最終回まで一気に放送されたのは本当に救いだったな》《連続放送見てたけど、最終回を迎える頃には涙と鼻水で顔パンパンでしたね》と語り継がれている。

制作サイドの都合で最終回が延期されるパターンも…

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」と「魔法少女まどか☆マギカ」は、感染症と震災というやむを得ない事情によって最終回が延期されていた。歴代の名作アニメでは、他にもさまざまな理由で延期が生じている。

“戦車道”に取り組む少女たちの青春を描いた大ヒットアニメ『ガールズ&パンツァー』(テレビ東京系)は、制作スタッフのこだわりによって延期が生じた稀有なパターン。2012年のTVアニメ第一期では、途中で制作が間に合わなくなり、約3カ月遅れで第11話と第12話が放送された。

なお監督・水島努は自身のブログ『月夜の上機嫌』にて、制作が遅れた経緯について説明。オリジナルアニメということで欲張り、「キャラクターも戦車も、どちらもたっぷりと見せたい、と言うわがままをふりまわした結果」だと語っている。

2015年放送の『血界戦線』(TOKYO MXほか)も、異例の事情によって最終話が延期された名作アニメ。公式サイトに掲載された謝罪文によると、最終話のボリュームが想定より多くなり、30分の放送枠に収まらなくなったことが理由だという。

また高校生たちの三角関係を描いた2007年のTVアニメ『School Days』(UHF局系)は、延期どころか放送中止という事態に。最終話はグロテスクなシーンを多数含む内容だったが、現実において同じような殺害事件が発生した影響で、テレビ局は放送の自粛を決定。TVK(テレビ神奈川)では急遽、ヨーロッパの風景やボートの映った映像が流された。海外の視聴者がその映像に対して「Nice boat.」とコメントしたことから、このワードがネットミームとして流行したのは有名な話だ。

名作と呼ばれるコンテンツは、作品を取り巻く時代状況によって生まれるもの。さまざまな名作アニメが同じような軌跡を辿っているのも、きっと偶然ではないのだろう。

文=大上賢一
写真=まいじつエンタ

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