成人式の中止は若者の自業自得? コロナ拡大の“罪”をなすりつける老害たち

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新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから早1年。1月7日には二度目となる緊急事態宣言が発令され、首都圏の成人式が次々に中止・延期となる事態に。そんな中、思わぬかたちで若者と老人の対立が勃発しているようだ。

現在地上波などの報道番組では、「若者の行動によってコロナ感染が広まっている」といった論調がよく見られる。それを真に受けた結果なのか、世間では成人式の中止をめぐって「若者の自業自得」という意見が上がることに。

成人式の中止を取り上げたニュースに対して、ネット上では《こりゃ自業自得だよ。出歩くべきじゃない》《フラフラして感染する若者が多いから中止になった。だから自業自得、身からでた錆びなんだよな》《一番コロナに感染してるのが20代で、成人式中止で怒ってるのも20代。若者が悪い》といった厳しい声が続出している。

その一方で、多くの若者は“自業自得”扱いされることに不満を抱いているようだ。Twitter上では、参加するはずだった成人式が土壇場で中止になったという若者のツイートが話題に。投稿者は若者の自業自得という風潮について「本当に悲しい」と吐露し、「このご時世になって大変なのは承知だけど、子供の時からこの日を楽しみにしてた新成人たちに自業自得と言える大人はおかしいと思う」と疑問を呈していた。

同様の憤りを抱えている人は多いようで、《「成人式がコロナで中止なのは若者どもの自業自得」って言う老害思考。まさに日本!っていう感じがして笑える》《成人式の中止は若者の自業自得? GoToでお出かけしてたのは誰なんですかね?》《自業自得って声があることにビックリした…。お昼ご飯にしたってシールド越しに談笑してる大人が多い中、学生は授業中のように静かな状態で食べてて、それでも青春の思い出になるはずだった体育祭や合唱コンクール、文化祭が中止になったんだよ?》などの意見が見受けられる。

若者は遊んでいるわけじゃない?

そもそも新型コロナウイルスの感染拡大を若者のせいにすることは、妥当なのだろうか? NHKの特設サイトに掲載されている「東京都の感染状況(年代別・感染経路)」というページを見てみると、たしかに若者のコロナ感染率は決して低くない。今年1月の年代別割合では20代がもっとも高い26%となっており、30代の19%、40代の16%がそれに続く。とはいえ学生がメインになるであろう10代以下は、8%という低い数値だった。

また、仮に20代の感染率が高いとしても、その理由についてはさまざまなものが考えられるはずだ。多くのメディアは若者たちが繫華街などに集まっていると糾弾しているが、実際には労働のために街中に出ている人がほとんどだろう。とくに年齢が若いほど接客業など、感染リスクが高い仕事に就いていることが予想される。多くの若者は遊んでいるわけではなく、貴重な労働力として社会を支えているのだ。

「節度のない行動」という観点で言うなら、若者よりも老人が問題視されるべきかもしれない。日本でコロナ感染拡大の原因になったクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』の乗客は、半数が70歳以上。むしろ行楽をする暇があるのは、現役を退いた老人たちだと考えられる。

どれだけ非難を浴びようが、若者の力がこの社会を支えていることは確かな事実。自分たちの生活を支えているのは誰なのか…今一度立ち止まって考えてみる必要がありそうだ。

文=城門まもる

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