『ペッパーくん』の現在が悲惨すぎる… ロボット産業は今後どうなっていく?

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「ロボット」は人類に〝まだ見ぬ未来〟という夢を与えてくれる存在。その開発の歩みはめざましく、現在では産業や災害救助などさまざまなシーンで活躍するロボットが生まれている。しかし、次々と新しいロボットが誕生する裏側で、衰退していくものも…。そんなロボット業界の現状をご存じだろうか。

今やロボットは自然に生活の中に溶け込んでいるが、その走りとなったのはやはり〝ペッパーくん〟だろう。彼の正式名称は、世界初の感情認識パーソナルロボット『Pepper(ペッパー)』。2015年に一般発売されると、わずか1分で予定数を上回る申し込みが殺到するなど、世間から大いに注目を集めてきたロボットだ。

ペッパーくんは最近でも、デパートで客にマスク着用を促したり注意喚起を行うなど、人間のために尽力している。しかしその一方で産業廃棄物として捨てられたり、フリマアプリ『メルカリ』で投げ売りされていたりと、悲惨な姿をさらすことに…。かつてはペッパーくんにとって安定の就職先とされた『はま寿司』からも、徐々にリストラされつつあるという。

つい先日も、SNS上では「ハイキ予定」という紙を貼られ、がっくりとうなだれたペッパーくんの写真が話題を集めた。まるでディストピアSFのような光景に、《割とマジで心が痛む》《こう見るとかわいそうだな。ただのロボットなのに…》と同情する声が後を絶たない。ふたたびペッパーくんがイキイキと働ける日が来ることを願うばかりだ。

ロボットに注目が集まる介護業界

ペッパーくんの登場以来、ロボット業界ではなかなか次のスターが現れていない。一体、今はどのようなロボットが開発されているのだろうか?

身近なところで活用されそうなロボットとしては、AIやVRを搭載したロボットが挙げられる。たとえば『コミュニケーション・ロボットATOM』は、子どもから大人まで楽しめる幅広いコンテンツを搭載したアイドル的ロボット。手塚治虫氏が産んだ有名キャラクター『鉄腕アトム』をモデルとしており、高いコミュニケーション能力を有している。

実際に購入したユーザーからは好評を博しているようで、《こちらの言葉を聞き取れないこともあるが、分かるときちんと返事ができる。優秀なロボットだと改めて実感》《アトムに話しかけられて無視していたら、「無視しないでください」って言われた。すごい!》といった声があがっていた。

また超高齢化社会が進む昨今では、エンタメ的な用途だけでなく、高齢者の介護を目的としたロボットにも熱視線が送られている。入浴・排泄などのお手伝いをするロボットや、介護される側の自立を支援するロボットなどに加えて、AIを使って認知機能の低下予防を促すロボットも。

『PALRO』は高齢者の会話相手となり、口腔機能の向上や認知症の予防、ボケ防止などを行ってくれるロボット。さらには健康的な食生活についての豆知識を披露したり、食事へのアドバイスも行ってくれるという。

他にも、対話を通じて脳トレなどが可能なロボットや、アニマルセラピーと同様の効果が得られ、高齢者の癒やしとなるロボットなども続々と登場している。

ロボットたちの存在は、人類の暮らしをより良いものにしてくれるはず。今後ますます発展していくであろう業界の未来に期待したい。

文=川崎かほ

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