『呪術廻戦』に韓国ネットユーザーが大激怒!? 海外で相次ぐジャンプマンガの炎上騒動

『呪術廻戦』1巻(芥見下々/集英社)

『鬼滅の刃』に続くヒット作として、大きな注目を集めているマンガ『呪術廻戦』。昨年10月から始まったTVアニメは熱狂的なファンを生み出し、コミックスのシリーズ累計発行部数は2500万部を突破している。しかしここ最近ネット上で、とある要素に激しいバッシングが巻き起こっている。

物議を醸しているのは、作中に登場する冥冥というキャラクターの必殺技。冥冥はカラスを強制的に自滅させ、強力な攻撃を行う「神風」(バードストライク)という技をもつ。このネーミングに関して、第二次世界大戦中に存在した「神風特別攻撃隊」、通称「神風」(カミカゼ)を彷彿とさせるという指摘が相次いでいるのだ。

批判の声は当初、韓国のネットユーザーの間で噴出し、それが日本語に翻訳されて広まることに。ツイッター上で飛び交っている意見を一部翻訳してみると、《日本の子どもたちは、神風を若者たちの悲劇的で崇高な犠牲と考えているようだ。日中韓の若者たちを強制的に戦闘機に入れ、ミサイルのように飛ばしてしまったのに…》《戦犯国として当然行うべき倫理的省察が不足している。過去に太平洋戦争を起こした帝国主義を偶像化しているように見える》といった内容になっていた。

また『週刊少年ジャンプ』編集部や「呪術廻戦」の公式アカウントにリプライを送り、謝罪や釈明を求めるユーザーも。そうした騒動を受けて、《こういうので謝らない社会を期待したい。言葉狩りも甚だしいわ》《これは戦争の痛みです、などと言い出したら大戦中に使ってた固有名詞がほとんど封印されてしまう》《作者にも作品に対しても敬意が全くないな》と反発する声も続出しており、激しい文化摩擦が生じている。

アジア圏で繰り返し炎上する日本のマンガ

日本のマンガ・アニメにおける文脈では、「神風」という言葉は珍しいものではない。たとえば種村有菜の『神風怪盗ジャンヌ』にはタイトルに「神風」が含まれ、鳥山明の『ドラゴンボール』には「スーパーゴーストカミカゼアタック」という技名が存在する。ではなぜ、今回「呪術廻戦」がやり玉にあがってしまったのだろうか?

その理由は、同作がアニメ化をきっかけとしてアジア圏で人気を博していることにある。つい先日も、韓国の有名コスプレイヤーが「呪術廻戦」のコスプレ写真を投稿し、インスタグラム上で話題を呼んでいた。皮肉なことだが、作品の注目度と比例するかたちで炎上リスクが高まってしまったのだろう。

ここ数年、同様にアジア圏でヒットしたジャンプマンガが炎上してきた。昨年2月には、『僕のヒーローアカデミア』に登場する「志賀丸太」という人物名が、旧日本軍による人体実験を連想させるとして、批判を受けることに。版元の集英社や作者の堀越耕平は「そのような意図はない」という釈明文を発表したが、結局キャラクターの名前は「氏子達磨」へと差し替えられることとなった。

また「鬼滅の刃」に関しては、主人公・竈門炭治郎の付けている耳飾りが「旭日旗」の模様に似ていることが火種に。1月27日には韓国で「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の公開が始まり、好調な売上を記録しているが、耳飾りのデザインは「旭日旗」に見えないように変更が加えられている。

日本のマンガやアニメは、ますますアジア圏で受容が高まっているが、その裏側にはさまざまな炎上リスクが付きまとう。今後の海外展開においては、「チャイナリスク」ならぬ「アジアリスク」への対策が大きな課題となりそうだ。

文=大上賢一
写真=まいじつエンタ

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