キンコン西野の「レターポット」だけじゃない! 意識高い系サロンが“スピる”理由

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お笑いコンビ『キングコング』の西野亮廣が製作総指揮・脚本・原作を務めた傑作映画『映画 えんとつ町のプペル』が、好調なヒットを飛ばしている。しかし映画のヒットによって、かねてから話題になっていたオンラインサロンの活用法にも疑問が集まっているようだ。

〝個展の撤収作業に参加できる権利〟や〝西野にお礼を言われる権利〟など、ファン心理を巧みに利用し、日常では味わえない特典をクラウドファンディングで販売している西野。こうした展開は賛否両論を呼んでいるが、中でも大きな批判を浴びているのが、2017年末に開発した「レターポット」なるシステムだ。

「レターポット」とは、西野が新しい通貨と位置づけた〝信頼〟を可視化するシステム。1文字5円、最低100文字からの「レター」という単位を購入し、手持ちレター内で綴った言葉を送受信できる仕組みだ。保持しているレター数は公開されるため、レター数の多いユーザーは、それだけ多くの信頼を受けている指標になる。そもそも流通している貨幣も〝信頼〟が重要なのだ!という野暮なツッコミはナシにしよう。

西野は2018年に、自身の公式ブログに「【レターポット】言葉を贈ることが、どうして『支援(お金)』になるの?」と題した記事を投稿。「良いこと(他人から感謝されるようなこと)をしている人が報われる仕組みを作りたいなぁ」という動機から、同サービスを思いついたことを明かしていた。感謝の形を貨幣が担っているというツッコミもナシだ。

しかしこの「レター」、新しい通貨と位置付けられながら、換金不可という完全に内輪向けのシステム。一部のネットユーザーからは、《サロン外では一切価値を持たないゴミ通貨》《普通に手紙かけばいいやん。意味わからん》《このシステム、何言ってるか理解するのに時間がかかった》《それっぽい理由をつけているがやってることは詐欺に近い》《わざわざ文字にお金払って買わせるのはどうなんだ…》といった批判の声が噴出している。

また、開発段階におけるクラウドファンディングでは、「後に換金できる」と謳っていたことも批判の的に。出資者の中には、最近めっきき名前を聞かなくなった不登校ユーチューバー『少年革命家ゆたぼん』の父など、著名人も含まれているが、その心中は疑問視されても仕方ないだろう。なお、該当のクラウドファンディングは目標金額を上回る1200万円を達成していた。

なぜ意識高い系サロンはスピリチュアルに走るのか

西野のオンラインサロンはいわゆる「意識高い系」の人々がターゲットだと言われているが、彼の場合に限らず、オンラインサロンはキレイゴトを並べたスピリチュアルなシステムを導入しがちなもの。つい最近も、レターポットによく似た「ギフト村」なるシステムが話題となっていた。

同システムは、《新卒でセブ島に就職→11ヶ月で退職→フリーランス→起業→起業失敗→ブログを書きまくる→ブログ収益7桁達成》という、ある種お手本のような青年実業家・マナブ氏の発案。彼は「感謝のプラットフォーム」「寝る前に『出会った人への感謝メッセージ』を投稿するサービス」と謳い、月額390円の利用料でサービスを提供している。

しかし同サービスの公式サイトを見てみると、感謝を贈ることで不安やストレスの減少、睡眠の質が向上することが「科学的にも実証されています」といった真偽不明の文言が。運営会社のリンク先が個人サイト、所在地がマレーシアとなっている点などに不安を抱く人が続出し、《慈善事業に見せかけた金儲けでしょうか?》《いろいろクリックしてみたけど、クレジットを入力する画面もないしリンク切れもあるお粗末なサイト》《やばいわねこれ。そして運営者が商材屋という》《なんだろう、このスピリチュアルなお布施システムは?》といった声が。結果として、スピリチュアルビジネスへの不信感を加速させることとなった。

さまざまな批判が尽きないサロンシステムだが、会員同士のムラ社会や狭いコミュニティで生きていくことを決めれば、心理的な充足や互助が成立してしまうのもまた事実。これでは本物の宗教さながらだが、信じる者は救われるということなのだろう。

文=大上賢一

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