
写真提供=朔
二次元を三次元に昇華するため、コスプレイヤーたちは日々努力を重ねている。表舞台に出てくるのは華々しい写真ばかりだが、その裏側には意外な苦労が潜んでいるらしい…。今回はTwitter上で話題を呼んだ、『ハイキュー!!』のシュールなコスプレ写真に注目。投稿者へのインタビューによって、写真が生まれた背景を教えてもらった。
「ハイキュー!!」といえば、2012年~2020年にかけて『週刊少年ジャンプ』に連載されたスポーツマンガ。高校バレーボールが題材となっており、主人公の日向翔陽が仲間たちと共にトップを目指す…というストーリーだ。

写真提供=朔
注目を浴びているコスプレ写真は、日向と同じ烏野高校に所属する「西谷夕」に扮したもの。オールバックに金髪のメッシュが入った特徴的な髪型や、競技中のスタイリッシュな姿が再現されている。

写真提供=朔
お尻の下敷きにされたコスプレイヤーの意味とは?
しかし、同時に投稿された“撮影中の裏側”を見てみると、そこにはお尻の下敷きにされたコスプレイヤーの姿が…。なんともシュールな光景だが、一体どうしてこのような写真が生まれたのだろうか?
コスプレイヤーの理想と現実
~ケツの下の龍~ pic.twitter.com/t0msbIKpIA
— 朔@1月~2月新規予定✖ (@sakushiomi1224) November 29, 2020
早速、写真の中で西谷を演じたコスプレイヤー・朔さん(@sakushiomi1224)に話を聞いていこう。
<元々どんな写真を撮影する予定だったのでしょうか?>
この写真は西谷夕の『ローリングサンダー』を再現したくて、カメラマンさんと協力して撮影しました。
<撮影時にこだわったポイントはありますか?>
いかに“バレーボールをしている”ように見せるかを第一に撮影しました。西谷はスーパーリベロなので、フォームは美しく。『ローリングサンダー』は練習中によくやるちょっとふざけ要素もあるものなので、表情はキリッとしながらもすこしお茶目感のあるような感じにしました。
また、事前にカメラマン様と「おふざけシーンだけど、ライティングはカッコよくしたい」とイメージ共有をし、カッコイイけどちょっとシュールな感じを目指しました。カメラマンさんの天才的なライティングと切り取りのおかげで理想的なお写真になりましたね。
<シュールな構図が出来上がった理由を教えてください>
原作の画像を見ながらポージングや構図を考えていくうちに、構図上、西谷の目線とネットの白線を同じ高さにしたいということになりまして…。
1人で高さを出しつつポージングすると体勢がキツすぎて上手く行かず、カメラマンさんの閃きで田中龍之介役の方に下敷きになっていただいて、理想のポージングが出来上がりました。
レイヤーの写真には理想と現実の差がある…?
<コスプレ写真の“理想と現実”について教えてください>
この写真以外でも、レイヤーのお写真はこういった理想と現実の差があるものも多いと思います。身長差があるキャラクターの併せや、狭いスタジオや自宅での撮影時は、カメラの画角などに収まるように屈んだり。マントやスカート、ロングウィッグをなびかせるために、シャッターを切るタイミングに合わせて他のレイヤーさんに衣装やウィッグを投げてもらうなんてことは日常茶飯事(笑)。コスプレ写真はレイヤーとカメラマン様との二人三脚の努力の結晶なのです(笑)。

写真提供=朔
<最後に何か一言伝えたいことがあればお願いします>
コスプレ写真はレイヤーさんとカメラマンさんの作品愛やこだわりがたくさん詰まってるので、それが伝われば嬉しいです。これからも一ファンとして、大好きな作品を自分なりにコスプレという手段で表現していきたいです。

写真提供=朔
原作のようなポーズや構図を表現したいからこそ、生まれてしまう理想と現実のギャップ。撮影の苦労を知った分だけ、完成したコスプレ写真が愛おしくなりそうだ。
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文=おにもり
写真提供=朔(@sakushiomi1224)