ドラえもんが現代アートに? キャラクターを認識する“概念”に注目集まる

『ドラえもん』1巻(藤子・F・不二雄/小学館)

「キャラクターはシルエットだけで見分けられるようにデザインすべし」というのは、漫画家やアニメーターの間でよく知られている鉄則。しかし真に優れたキャラクターデザインは、シルエットすら必要としないのかもしれない…。つい先日、それを証明するような事件が起きてしまった。

「概念」と化したあの国民的キャラクター

2月6日放送の『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(フジテレビ系)で、その事件は起きた。「アニソン知識王決定戦SP」という企画で、国民的アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)の歌当てクイズが出題されたのだ。

放送局が異なる関係上か、同番組では「ドラえもん」のイラストを使用できなかったようだ。結果として、「ドラえもんを想起させる何か」が画面に映し出される事態となってしまった。

画面に映し出されのは、青いゴムボールと金色の鈴、そして半分に切られたどら焼き…。現代アートのようなシュールで謎めいた組み合わせだが、日本国民なら誰もが「ドラえもん」を連想する絵面だと言える。テレビ局としては苦肉の策だったのかもしれないが、意表を突いたキャラクター表現が功を制し、ネット上は大盛り上がり。《逆にこれを放送する勇気がすごい》《これでドラえもんってわかっちゃうのもスゴいな》《ここまでしてまで写真出さんでいいwww》《青いボールで再現するのセンスしかない》《たしかに頭テカテカ》など、さまざまな反響を呼んでいる。

実は「ドラえもん」が概念と化してしまった事例は、過去にも存在するようだ。こちらも同じくフジテレビだが、2013年7月30日に放送された『1億3千万人が選ぶ究極アニメランキング』(フジテレビ系)で同様の場面が登場。アニメの曲が流れるシーンで「どら焼き+竹とんぼ」が映され、その身も蓋もない光景が人々の爆笑を誘ったのだった。

公式が「ドラえもん概念展」を開催したことも!?

何度も概念化の被害を受けている一方、実はオフィシャルで「ドラえもん」のイメージで遊ぶ展覧会が開催されているのをご存知だろうか。

その展覧会とは2002年から幾度も開催されている『THE ドラえもん展』。村上隆や蜷川実花など、日本を代表するアーティストたちが「ドラえもん」をテーマに作品を制作するという内容で、会場に並ぶのはまさにアート版の「ドラえもん」概念だ。奇抜なファッションによる「ドラえもん」、山水画のような表現で描かれた「ドラえもん」etc…キャラクターのアイデンティティのギリギリを攻めた作品が並んでいた。

公式設定では、「ドラえもん」は22世紀に誕生する予定だ。しかしそんな未来を待たずとも、もうすでに私たちの日常に「ドラえもん」の概念は溢れているのかもしれない。

文=富岳良
写真=まいじつエンタ

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