『呪術廻戦』の元ネタは『からくりサーカス』!? 芥見下々が影響を受けた作家たち

 

『呪術廻戦』1巻(芥見下々/集英社)

アニメ化をきっかけに、〝ネクスト鬼滅の刃〟と呼ばれるほどのヒット作となった『呪術廻戦』。ダークな世界観やスタイリッシュなキャラクターデザインは唯一無二でありながら、どこか懐かしい印象もある…。今回は、作者・芥見下々がどんな作品に影響を受けているのか、くわしく検証していこう。

まず取り上げたいのは、冨樫義博による『HUNTER×HUNTER』。作画や構図が似ているとネット上でよく話題になっているが、作中に登場する特殊能力も見逃せない。「呪術廻戦」には人間の負の感情を力に変換する〝呪力〟と、それを戦闘などに利用する〝術式〟が存在する。こうした設定は「HUNTER×HUNTER」の念能力と酷似しており、どちらの作品でも主人公に能力を説明する際、空き缶に能力を使用する場面があった。

また担当編集によって、久保帯人の人気漫画『BLEACH』からの影響が明かされたことも。芥見本人も「第26回 J新世界漫画賞」の審査員を務めた際、読者からの「言葉選びで参考にしているものはありますか?」という質問に対して「『BLEACH』を読んでください!!」と答えていた。個性的で洗練された技名やキャラクターなどは、まさしく「BLEACH」ゆずりだと言えるだろう。

ジャンプだけではない「呪術廻戦」の元ネタ

「HUNTER×HUNTER」と「BLEACH」はいずれも『週刊少年ジャンプ』の作品であり、ジャンプ作家として影響を受けているのは当然。ではその外部で、芥見が影響を受けている漫画家はいるのだろうか?

まず1人目は、ホラー漫画家・伊藤潤二。「呪術廻戦」134話で、呪詛師・夏油傑が虎杖悠二に放った術式・極ノ番「うずまき」が、伊藤の作品『うずまき』に登場するキャラクターと酷似している。前日譚にあたる0巻にも同様の術式が登場していたのだが、本編で再登場した際には、より伊藤の作品に似せていた。

他にも作中の渋谷事変では、伊藤の『潰談』にインスパイアされたような構図も登場。よほど伊藤の影響を色濃く受けているか、連載中にちょうど作品に目を通したのかもしれない。ちなみに伊藤は自作のオマージュについて把握しているようで、ツイッター上で「うずまき」パロディを指摘した呟きを「いいね」している。

2人目は、『うしおととら』などの名作を生み出してきた漫画家・藤田和日郎。中でも芥見は、ダークファンタジー作品『からくりサーカス』に影響を受けているようだ。「からくりサーカス」に登場するルシール・ベルヌイユは、袖が膨らんだ変わった形のワンピースを着用している。そして「呪術廻戦」にも、似たような形のワンピースを着用している冥冥というキャラクターが。また黒を基調とした服装が多く登場するのも、両作品の共通点。ルシールと冥冥ほどではないが、既視感を覚えるキャラクターも少なくはない。

余談だが、芥見自身も「日本三大既視感作品との呼び声高い」「どこで見たような作風に定評がある」などと自虐的なコメントを放ってきた。作品がヒットしても天狗にならず、謙虚に他作品を持ち上げるのは、一体どの作家から学んだ態度なのだろうか…。

文=城門まもる
写真=まいじつエンタ

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