アニメ『進撃の巨人』“歴史”を巡って物議! サブスクから削除される事態に発展

『進撃の巨人』1巻(諫山創/講談社)

アニメ『進撃の巨人 The Final Season』(NHK)第11話『偽り者』が、2月21日に放送。その内容が物議を醸し、ストリーミングサービスで一時閲覧できない状態になっていたようだ。

※アニメ『進撃の巨人』最新話の内容に触れています

11話(通算70話目)の主軸となったのは、「マーレ」の戦士候補生・ガビの話だ。冒頭、牢屋から脱走したガビたちは、少女・カヤに出会う。彼女に連れていかれた先は、巨人によって親を失った孤児たちが集まる農場だった。

ガビは思想教育を幼い頃から受けており、自らを含むエルディア人を〝悪魔〟だと認識している。そのため孤児の事情を聞かされても、同情する素振りを一切見せない。しかし、ストーリーの終盤でガビは、カヤと議論の末に、今までの価値観を大きく揺るがされるのだった。

今回のエピソードでは、歴史の中で民族対立が激しくなり、無関係なところで死者を生むという、現代社会の縮図のような話が描かれている。

放送終了後には、エレン役の声優・梶裕貴がツイッターを更新。《『進撃の巨人』を世界中の人に読んでもらえますように。観てもらえますように。何かに気付くきっかけになりますように》というツイートを投稿していた。

彼のツイートには、《今回の話は本当に深かったですね。世界中の人達の心に響いて欲しい。何百年と続く戦争に終止符をうってほしい》《何が正論。誰が悪者。それぞれの主観でそれぞれの主張をするばかりでは、負の連鎖は断ち切れないのでしょうね》《過去なのか、今なのか。何が正義なのか。深すぎますね。そして、切ない》といった声が寄せられている。

作品を潰すことは本当に正義なのか?

放送終了後、各ストリーミングサービスで70話がいつものように配信されたのだが、『Amazonプライム・ビデオ』からは削除される事態に。削除理由は説明されていないようだが、ネット上にはさまざまな憶測が飛び交っていた。

しかし、70話はすぐ『Amazonプライム』に復活。ツイッターの『Amazon Help』公式アカウントは、「70話が観られない」とつぶやくアカウントへ、丁寧に一件ずつリプライを送る対応をみせていた。

この一連の騒動を見ていた人たちからは、《一部の過激な思想の人たちが声をあげてるみたいだけど、これでまたどうこう言い始めたら、それこそ70話の意味がなくなってしまう》《アマプラ削除が他国の仕業だとか言っちゃうヤツは、本編見てない説あるな…。安易なレッテル貼りは危険だと丁寧に言ってるのに》という声があがっていた。

カルチャーやアートは、現代の写し鏡のような側面を持つ。その描き方が〝正しい〟か、〝間違っている〟かは、現代の価値観でしか判断できない。そのためには過去へ遡り、知見を広げ、多角的に物事を判断する必要があるのだが、残念ながら〝ある一方〟からの見方しかできない人々も少なからずいるようだ。カルチャーやアートは知見を広げてくれるものであり、作品自体を潰してしまっては元も子もない。歴史を繰り返さないためには、何かを参考にして、その歴史を学ぶべきではないだろうか。

今回の騒動でAmazonを攻める声もあるが、それは全くの見当違い。物事を多角的に描く『進撃の巨人』と、その作品を掲載・放送・配信しているメディアを全面的に支持したい。

アニメ『進撃の巨人 The Final Season』公式サイト

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ

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