『ジャンプ』の“推理もの”といえば? 歴史に残る傑作ミステリー漫画3選

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今年2月、『週刊少年ジャンプ』誌上で『アイテルシー』という推理漫画の連載が始まった。同作だけでなく、最近の「ジャンプ」ではよくミステリー作品が掲載されており、大きな注目を集めている。今回は今後の動向を占うために、これまで「ジャンプ」が生み出してきた〝推理もの〟の傑作漫画をご紹介していこう。

推理とダークファンタジーの良いとこ取り!『魔人探偵脳噛ネウロ』

『魔人探偵脳噛ネウロ』は、現在『逃げ上手の若君』を連載中の松井優征によるデビュー作。謎を食料とする魔人・ネウロと女子高生の桂木弥子がさまざまな事件を解決に導いていくストーリーで、ダークファンタジーの要素が強い。作品全体に江戸川乱歩の推理小説に通じるような「怪奇」な雰囲気が満ちており、物語を盛り上げている。

もちろん同作は推理マンガとしても超一級。読者は殺人事件などの謎解きだけでなく、「ネウロ」が何者なのかという謎にも直面させられる。第1話で突然現れたネウロは、弥子を協力者(奴隷人形)とすべく、魔人の力をもって脅迫。そして、弥子を女子高生探偵に祭り上げることで、謎という食料を漁っていく…。なんとも狂気に満ちた展開だ。

作中には荒唐無稽な事件や、人格がガラッと豹変するような異常な犯人、魅力的なガジェットなどがたっぷり登場。衝撃の展開が押し寄せてくる。先が気になるあまり、読者は「ネウロは何者なのか」という問題を忘れそうになってしまうだろう。

また、人気作はずるずると引き伸ばされるのが世の常だが、「魔人探偵脳噛ネウロ」は違った。謎が多いストーリーながら、全てのエピソードが最終回へと結実。後味の良い終わり方をした稀有なマンガとして、「ジャンプ」ファンの語り草となっている。

ギャグと推理のバランスが秀逸!『SKET DANCE』

『SKET DANCE』は、つい先日『ウィッチウォッチ』の連載が始まった篠原健太による代表作。第55回「小学館漫画賞」少年向け部門を受賞するなど高く評価されており、TVアニメ化によって話題を呼んだ。

ストーリーは、通称「スケット団」が学園の生徒のために、相談事やトラブル解決などの人助けを行うというもの。スケット団を構成するのは、普段はヌケているがイザという時に頼りになるリーダー・ボッスン、武闘派ヤンキー・ヒメコ、頭脳明晰な情報屋・スイッチという3人だ。物語をリズミカルに展開させるバランスのいいキャラ構成だが、奇しくも名作推理児童書『ズッコケ3人組』を思わせる。

作風はギャグ主体で明るく読みやすいものの、実は推理マンガとしても定評のある同作。アガサ・クリスティの推理小説を思わせるような秀逸な仕掛けや、巧妙な叙述トリックなどが随所に仕込まれている。ネット上では、ミステリーマニアの間で《スケットダンス、日常系ミステリーじゃん。ジャンプにもミステリーものがあったんだ!》《スケダンをミステリー的に読んだら意外としっかりしてて驚いた》《「スイッチ・オフ」の回は漫画表現における最高のミステリー作品だよ》などと語られているようだ。

ちなみに篠原は同作の次に手がけた『彼方のアストラ』にて、ミステリーとSFを融合した新天地を見せつけていた。最新作の「ウィッチウォッチ」でも、その内ミステリー要素が出てくるかもしれない。