
『進撃の巨人』1巻(諫山創/講談社)
今年2月から、アニメ『進撃の巨人 The Final Season』(NHK)と『株式会社NTTドコモ』によるコラボが始動。さまざまなキャンペーンが行われているのだが、その中の〝とある企画〟が注目を集めているようだ。
コラボを主導しているのは、「【公式】進撃のコラボキャンペーン」と名付けられたツイッターアカウント。こちらのアカウントをフォローし、対象のツイートを引用RT(リツイート)することで、達成数に応じてキャラクターボイスと巨人バーチャル背景がプレゼントされるという。
RT企画はいくつものミッションに分かれており、それぞれ別のキャラにスポットが当たる仕組み。これまでは「#アルミンがんばれ」やミカサの名言を元にした「#戦わなければ勝てない」といったハッシュタグが使用されていた。
しかしミッション3だけは、かなり異質な雰囲気を漂わせるものに。鎧の巨人ことライナー・ブラウンが題材となっており、ツイートに「#ライナアアアア」を付けて引用RTせよ…という指令が下されたのだ。しかも該当ツイートには、「仕留めろ! 絶対に逃すな! ※『ア』の数に兵士たちの気持ちを込めるんだ!」と闘志を煽るような一文も添えられている。
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🚨MISSION 3🚨
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓今度は鎧の巨人!?
総員、固定ツイートに『#ライナアアアア』をつけて
引用RT投稿し、仕留めろ!
絶対に逃すな!
※「ア」の数に兵士たちの気持ちを込めるんだ!ミッション達成でライナーの限定ボイスを解放だ!#ドコモ進撃のコラボ pic.twitter.com/gWYtKOHTTc
— 【公式】進撃のコラボキャンペーン (@docomo_shingeki) February 25, 2021
愛され系主人公となったライナー
シュールすぎるコラボ企画に、「進撃の巨人」ファンたちは意表を突かれたようだ。ツイッター上では、《ライナーがどんどんイジられキャラになっててウケる》《公式がやるのは草》《もうライナーがかわいそうw》《#ライナアアアア 頼む…静かに…現実ですらも安眠できないライナー》といった声が飛び交うことに。
キャンペーンの反響は凄まじく、ツイッターでは「#ライナアアアア」がトレンド入り。しかもなぜかプロモーションではなく、エンターテイメントに分類されており、《ライナーはエンタメだった?》《意味不。だが、草》《ライナーがエンターテインメントと化してる》といったツッコミも寄せられていた。
コアなファンには周知の事実だろうが、今やライナーは作中トップクラスの人気を誇るキャラクター。放送中の「進撃の巨人 The Final Season」では、ひたすらにライナーの心を折るようなストーリーが展開。さまざまな手段で精神的に追い込まれていることから、「作者の寵愛を受けている」というウワサも絶えない。
しかもすべての原因は、ライナー自身の過去の行いにある。かつては自信満々なリーダータイプだったライナーの心がへし折れ、自らの罪にさいなまれる様子が、延々と描かれているのだ。なぜかその光景は、観る者に不思議な愛情を抱かせる…。
ファンの間でイジられるだけでなく、公式コラボでもネタにされてしまったライナー。今回の企画が成功すれば、今後もコラボで引っ張りだこになりそうだ。
文=城門まもる
写真=まいじつエンタ