お洒落な「クラフトビール」はどうやって生まれる? プロのデザイナーに聞いてみた!

荻原氏デザインのラベルを使用した『TKBrewing』のビール(C)荻原直也

若者を中心に、幅広い年齢層から人気を集めるクラフトビール。味、香りともに既存のビールとは一線を画し、バラエティー豊かな種類を楽しめるのが大きな強みとなっている。また、そこはかとなく漂うオシャレ感も注目される要因の1つだ。

そこで本稿では、クラフトビールをモチーフとしたアパレルブランド『Tapmate』を展開する荻原直也(おぎはら なおや)氏へのインタビューを敢行。たんなる消費者とは違った目線から、その魅力を深掘りしていく。

“ファッション”の一部としてのクラフトビール

「Tapmate」のブランドイメージ(C)Tapmate

荻原氏とクラフトビールの出会いは、約10年前にさかのぼる。ハワイのスケートショップを訪れた際、2人組の地元住人が、ラベルがやたらとかっこいいドリンクを片手に談笑していた。ビールを飲むたたずまいとスケートブランドのファッションが絶妙で、強く印象に残った荻原氏は、帰国後にたまたま同じドリンクと再会することに。それは、ガーゴイルのイラストがキラリと輝く『Stone Brewing』のクラフトビールだった。

荻原氏が出会ったのは、広い意味で〝ファッション〟の一部としてのクラフトビールだと言える。それ以降、神奈川県川崎市にある行きつけのバー『cube bar』にてクラフトビールを飲むうちに、本格的にハマっていったという。

ビールを愛好するようになり、誕生したのがアパレルブランド「Tapmate」。同ブランドは「キャンプに行くときアウトドアブランドを着るように ビールを飲みに行くとき着るブランドがあってもいいんじゃない?」というコンセプトで、現在はパーカーやTシャツなどを販売している。

ビアフェスなどで着たい「Tapmate」

荻原直也氏

──「Tapmate」を作ったきっかけは?
荻原氏:「cube bar」のようなお酒を飲めるお店って、昼間に出会えない人と出会える場じゃないですか。話してみると全然違う仕事をしていて、みんな魅力的で。それがめちゃくちゃ心地よくて、冷たいものを飲んでいるのに、自分の内側はほっこり温かい。今まで知り合った人たち、これから出会う人たちと共有できる何かを生み出せないかな、と思って、「Tap」(注:ビールの注ぎ口のこと)を介した楽しい輪を表現したのが「Tapmate」です。

──クラフトビール関連のブランドということで、とくに意識していることはありますか?
荻原氏:2つデザインテーマがあって、大人の男性が着て、女の子に「それかわいい!」って言ってもらえるデザイン。そうすると結果的に女の子も着られるし。

──「Tapmate」のロゴがシンプルでいいですよね。
荻原氏:メインロゴはシンプルだけどかわいいデザインに。ロゴとは別に僕のルーツである「スケート&ビール」みたいなグラフィックをレイアウトしたアイテムもあります。スケボーした後にそのままchillして欲しいし。ビールを飲みに行くなら「Tapmate」のような感じで、ビアフェスに着て行けるアイテムとして認知してもらえると嬉しい。