坂田銀時に緋村剣心も… 渋さが魅力な『ジャンプ』の「アラサー主人公」3選

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漫画において重要なファクターのひとつが、読者による感情移入。できるだけ読者が共感できる要素を盛り込む、というのが創作の鉄則だ。若い読者が多い『週刊少年ジャンプ』の作品には、同じように年齢が低いキャラクターが多数登場する。

しかし、ヒット作を見てみれば、いくらでもイレギュラーが存在するもの。たとえば現在大ヒットしている『呪術廻戦』の五条悟は28歳であり、少年どころかアラサーだ。そこで今回は歴代ジャンプ作品の中から、アラサー主人公たちをピックアップ。彼らの渋すぎる魅力に迫っていきたい。

いつかは年下になるアラサー主人公たち

■説教モードに貫禄があるのはアラサーだから?「坂田銀時」
坂田銀時といえば、人気漫画『銀魂』の主人公。ご存知の通り、宇宙から来た天人(あまんと)が蔓延る江戸の町で、「万屋(よろずや)銀ちゃん」といういかにもいかがわしい稼業を営む人物だ。

作中でも幾度となく言及されるように、「チャランポラン」や「天パ」というイメージのある脱力系主人公の銀時。しかし、ここぞというときに発揮する剣の腕前と、なぜだか心に響く説教臭いセリフは多くの読者を虜にしてきた。あまりにも達観したスタンスや、含蓄のある言葉から、銀時が何歳なのか気になっていた人は多いだろう。しかし作中では、けっきょく最後まで年齢が明かされていなかった。

そんな中、2月12日にYouTubeで配信された映画『銀魂 THE FINAL』の緊急特番『「銀魂 THE FINAL」大解剖スペシャル! 前編』において、彼の年齢が判明することに。実は銀時は志村新八や神楽より10歳以上年上の27歳であり、アラサーなのだという。

この事実に驚く人は多かったようで、番組が放送されるとすぐにSNS上では《ジャンプの主人公なのでもっと若いと思った》《銀さん、アラサーだったの!? もっと若いと思ってた!》などと驚きの声が飛び交っていた。

銀時はかつて国を守るために攘夷志士として戦った経験もあり、貫禄を感じさせるセリフを多数残している。たとえばコミックス4巻の第二十六訓では、昔の窃盗団に誘われるキャサリンに対して「人様に胸はれるよーな人生送っちゃいねぇ」「まっすぐ走ってきたつもりがいつの間にか泥だらけだ」「だが それでも一心不乱に突っ走ってりゃ いつか泥も乾いて落ちんだろ」と説く。何とも考えさせられる一言だ。豊富な人生経験を積んできたアラサー主人公だからこそ、ここまで人の心を打つ言葉を口にできるのかもしれない。

■いつしかオッサン扱いされるように…「緋村剣心」
続いて紹介するのは、1996年にテレビアニメも放送された『るろうに剣心』の緋村剣心。アニメの放映は今から20年以上も前のことだが、最近でも佐藤健主演の実写映画シリーズが制作されているため、剣心は多くの人にとって身近なヒーローだろう。

しかしみんなが愛する剣心は、意外と年をとっていた。本編終了時点でなんと33歳、現在連載中の続編「北海道編」は34歳らしいので、驚くしかない。現在は神谷薫と結婚し、剣路(けんじ)という子どもまでもうけており、すっかり一人前のパパである。

また「北海道編」では、時の流れを残酷に感じさせる一幕も。明日郎(あしたろう)という新キャラに「どけよオッサン!」と言われるシーンがあるのだ。佐藤健が演じるほどのさわやかイケメンだった剣心が「オッサン」になるとは、隔世の感がある。明日郎は作品を通して「オッサン」呼びのままであり、今後少しでも変化があることを願わずにはいられない。

剣心はすでに神谷薫の夫であり、剣路の父でもあるため、少年漫画の主人公というイメージからは遠ざかりつつある。だからこそ当時の読者に刺さることもあるのではないだろうか。