『進撃の巨人』『呪術廻戦』のMAPPAは本当に「最高のアニメ会社」なのか?

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アニメ『呪術廻戦』(TBS系)や『進撃の巨人 The Final Season』(NHK)を手掛け、一躍業界トップに躍り出たアニメ制作会社『MAPPA』。しかし、一部のアニメファンからは「過大評価だ」という意見も少なくない。ネット上では「MAPPA」のアニメ会社としての評価をめぐり、論争が巻き起こっているようだ。

その火種となっているのが、現在放送されている「進撃の巨人」のクオリティー。同シリーズはもともと「MAPPA」ではなく、アニメ制作会社『WIT STUDIO』が担当していた。「WIT STUDIO」は2013年4月から2019年7月にかけて、第1期~第3期までの「進撃の巨人」を制作。当時、映像化は不可能だと言われていた、立体機動装置を使用した戦闘シーンを圧巻の技術力でアニメーションに落とし込んでみせた。

そして「MAPPA」は「WIT STUDIO」からバトンを渡される形で、第4期にあたる「進撃の巨人 The Final Season」を担当。しかし「MAPPA」版ではCGが以前よりも多用されている他、作画のクオリティーや演出、BGMの使い方など、さまざまな点で変化が見られる。

そのことを受け入れがたいと感じる視聴者は多いようで、《ピクシス司令の作画崩壊ヤバすぎ…BGMも1期から3期までの迫力を捨ててるし、平坦過ぎてつまらない。制作会社変わらんで欲しかった》《進撃の巨人作画崩壊ヤバいって言われてるけど、皆作画に気を取られすぎ。演出もかなりやべぇぞこれ…》《MAPPAさん、呪術廻戦だけに力入れないでください。進撃の巨人ファイナル本当に楽しみにしてたんですよ、作画ひどすぎるしテンポもズタズタ》《MAPPAの進撃は原作既読で内容知ってるけど、心にグッとくる、みたいな描写がない、演出がダメすぎる》などと批判が飛び交っていた。

作品ガチャの引きが強いだけ?「MAPPA」の評価はいかに…

また「MAPPA」が高い評価を得ていることについて、〝作品ガチャ〟の引きがよかっただけとする意見も多い。実際に過去作のラインナップを見てみると、海外ウケする「進撃の巨人」、通なオタクがアニメ化を熱望していた『ドロヘドロ』。そして女性ウケ抜群な『ユーリ!!! on ICE』に『BANANA FISH』、極めつけは今期の覇権候補「呪術廻戦」と、絶妙な作品を手掛けてきたことが分かる。

こうして振り返ってみると、たしかに今の「MAPPA」の評価は原作の引きがよかったからなのかもしれない。しかし、数ある漫画やライトノベルなどの中で、それらの〝原石〟を見抜いてきたことは、紛れもなく「MAPPA」の実力だと言えるだろう。

しかもいずれの原作も、広告代理店が飛びつくような派手な売りのある作品ではない。上記以外にも『坂道のアポロン』や『うしおととら』など、コアなファンに支持されている原作を数多く手掛けている。「MAPPA」の名前をアニメ業界に知らしめた映画『この世界の片隅に』も、そうした渋いラインナップの1つだろう。

また、昨年1月から放送された「ドロヘドロ」も一部の漫画ファンから絶大な支持を得ていたものの、アニメ化は難しいとされていた。それをメジャーヒット作に押し上げたのは、まぎれもない「MAPPA」の功績だと言える。

「進撃の巨人 The Final Season」は賛否両論を呼びつつも、国内外の人々を巻き込んだムーブメントを作り出している。今の「MAPPA」が業界のトップランナーであることは間違いないだろう。

文=大上賢一

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