『ジャンプ』は5年以内に“氷河期”へ突入? 中堅層の伸び悩みでテコ入れか…

(C)PIXTA

『週刊少年ジャンプ』といえば、『ドラゴンボール』や『SLAM DUNK』、『ONE PIECE』といったヒット作を生み出してきた少年漫画雑誌のトップランナー。しかしここ最近、人気作の連載終了が見え始めてきたことで、ネット上では「オワコン化」を心配する声が相次いでいる。

「ジャンプ」を支えてきた主力作品が次々と…

話題の発端となったのは、3月22日に発売された「ジャンプ」16号。2014年から連載が始まった人気作品『僕のヒーローアカデミア』が、ついに「終章」へと突入したのだ。

作者の堀越耕平は、昨年12月に行われた『ジャンプフェスタ2021』にて「多分あともう少しで結末へ辿り着くと思う」というコメントを残していた。しかし、いざ物語の完結が迫ってきたことで、ネット上では《ヒロアカ終わったらジャンプも卒業するかもしれん》《終わりが近付いてるってはっきり言われると寂しいな》といった反響が巻き起こっている。

また、アニメ化によって話題沸騰中の〝ポスト鬼滅〟こと『呪術廻戦』も、数年以内での完結がほのめかされている作品だ。2月27日に放送された『漫道コバヤシ 「呪術廻戦」後編-赫-』(フジテレビONE)にて、作者の芥見下々は作品全体の進行を「富士山を10合とするなら渋谷事変で6~7合あたり」と説明。残りの連載期間を「あと2年くらい」と担当編集者と話していることを明かしていた。

さらに「ジャンプ」の〝顔〟である「ONE PIECE」も、永遠に連載が続くわけではない。単行本97巻のSBSコーナーにて、読者から「あと5年で『ONE PIECE』の連載をやめるって本当ですか」という質問が届いたのだが、作者の尾田栄一郎はそれを全面的に肯定。ルフィの冒険の一番面白い部分、「ONE PIECEって何なの?」という話が終わるため完結することになる…と語っていた。

このように見ると、あと数年もすれば現在の看板マンガは完全に入れ替わっている可能性が高い。

今後の「ジャンプ」の看板を背負っていくのは?

「ジャンプ」における現在の連載ラインナップを見てみると、主力作品に次ぐ〝中堅層〟の火力不足が目立っている。「呪術廻戦」と同時期には『チェンソーマン』や『アクタージュ』といったヒット作が生まれたのだが、いずれも2018年に連載がスタートした作品。その後、この3作品ほど読者を熱狂させる人気作が生まれていないのが現状だ。

また、最近では過去にヒット作を生んだ実力派作家たちが本誌に復帰し始めている。『世紀末リーダー伝たけし!』や『トリコ』で知られる島袋光年、『SKET DANCE』の篠原健太、『魔人探偵脳噛ネウロ』や『暗殺教室』の松井優征…。いずれも知名度の高い作家ではあるが、現在の連載作品は苦戦を強いられている印象が強い。今後、主力作品が完結した後には「ジャンプ」に未曽有の〝氷河期〟が訪れてしまうかもしれない。

そんな中、「ジャンプ」本誌とは裏腹に絶好調なのが漫画アプリ『ジャンプ+』。アプリ内では数多くのオリジナル作品が連載されており、才能あふれる新人作家の発掘という役割も担っている。その勢いは目覚ましく、漫画ファンの一部からは《ジャンプ本誌よりジャンプラ読んでる方が面白い》という声もあがるほどだ。

たとえば松本直也の『怪獣8号』は、コミックスがわずか2巻しか発売されていないにも関わらず、すでに累計100万部を突破。これは「ジャンプ+」史上最速の記録だという。そして遠藤達哉による『SPY×FAMILY』も、6巻までで累計発行部数が800万部を超えるほどの勢いを誇っている。

実際に読んでみると、「怪獣8号」は非常にリアルな怪獣の絵や、緻密に作り上げられた設定が素晴らしい。迫力のある戦闘描写も実に爽快で、今後アニメ化されることがあれば、さらに爆発的な人気を博しそうだ。また「SPY×FAMILY」は凄腕スパイの夫と、殺し屋の妻、超能力者の娘が〝仮初めの家族〟を演じるというユニークなストーリー。なにより人の心が読める娘のアーニャがとてもかわいらしく、女性ファンからも圧倒的な支持を集めている。どちらも完成度が高く、「ジャンプ」本誌で掲載されたとしても全く遜色なく楽しめる作品であることは明らかだ。

今後本誌が窮地に陥った際には、「ジャンプ+」の有力作家を引っ張ってくるという打開策もありえるかもしれない。とはいえ、「ジャンプ」にはまだ『HUNTER×HUNTER』という切り札が残されている。冨樫義博が覚醒してくれることに一縷の望みを託しつつ、新たなヒット作の誕生を期待しよう。

文=「まいじつエンタ」編集部

【画像】

master1305 / PIXTA

【あわせて読みたい】