『ONE PIECE』マニアなら納得! ひそかに人気を集める「隠れ名シーン」3選

『ONE PIECE』98巻(尾田栄一郎/集英社)

累計話数が1000話を超えてなお、高い人気を誇る少年漫画『ONE PIECE』。作中では、登場人物たちの出会いや別れなどをめぐって、数えきれないほどの名シーンが描かれてきた。本稿ではその中でも、密かにファンが多い「隠れ名シーン」をピックアップしていきたい。

ドルトンの名言「バカにつける薬はないのだから」

<その1>ドラム王国でただ1人王に盾突いた男・ドルトン
第145話『受け継がれる意思』は、「ドラム島」の過去編を描いたストーリー。爆薬を飲んで自決するヒルルクとチョッパーの別れのシーンが有名だが、名シーンはそれだけではない。

当時の国王・ワポルに騙されながらも、医者としての生きざまを貫いたヒルルクを見て、ドルトンは涙を流す。その後、自爆して死んだヒルルクを見てワポルは大笑いするのだが、ドルトンは命令に背き、ワポルに異議を申し立てるのだ。それだけでなく「バカにつける薬はないのだから」とまで言いきってしまう。

ワポルは人をバカにする時は口癖のように〝カバ〟と言うのだが、そんなワポルに正面切って「バカ」と言ってのけるかなりスカッとするシーンでもある。また、当時のワポルは王としての権力を持っていただけでなく、悪魔の実「バクバクの実」の能力により、かなりの実力を持ち合わせていた。そのため、周りにいるのはイエスマンばかり。そんな中でワポルに1人で立ち向かうドルトンの姿は、短いページながらも多くの読者の目に焼き付いたはずだ。

<その2>インペルダウン編の功労者、ボン・クレーの雄姿
熱い戦いが繰り広げられた「マリンフォード頂上戦争編」では数多くのドラマが生まれたが、その直前の「インペルダウン編」にも特筆すべき名シーンがある。エース救出のため、インペルダウンから脱走するルフィたちを描いた第548話『ありがとう』を振り返ってみよう。

インペルダウンから脱出できたものの、海軍が管理する「正義の門」が開かず、絶体絶命のルフィたち。諦めかけたその時、開くはずのない門がなぜか開き始める。それは、監獄署長マゼランに変装してインペルダウンに残ったボン・クレーのおかげだった。ボン・クレーはマゼランに変装することでインペルダウン職員を騙すだけでなく、ルフィたちの船が逃げられるよう「正義の門」の開門を命じたのだ。だが、門が開いた直後にボン・クレーは本物のマゼランに見つかってしまう。

ボン・クレーは「電伝虫の通信が切れるまでルフィには伝えるな」と念押しした上で、ジンベエにだけ作戦を伝えていた。しかしジンベエの計らいによってわずかな時間、ルフィたちと会話を交わす。ルフィを救いたい一心から、独断で敵地にたった1人残ったボン・クレーの漢気には思わず胸が熱くなる。さらにボン・クレーの安否を心配する囚人たちの様子や、ルフィのまっすぐな「ありがとう」の言葉にも、多くの読者が涙したことだろう。