『ヒロアカ』で“エヴァ”パロディ! 作者・堀越耕平は旧劇を復習していた…?

『僕のヒーローアカデミア』29巻(堀越耕平/集英社)

連載開始から約6年半を経て、ついに物語が「終章」へと突入した漫画『僕のヒーローアカデミア』。3月29日に発売された『週刊少年ジャンプ』17号では、気になるストーリーの続きが描かれたものの、一部の読者はそこに仕込まれたパロディネタに釘付けとなってしまったようだ。

※『僕のヒーローアカデミア』最新話の内容に触れています

前回のエピソードで、主人公・緑谷出久は自身がもつ「ワン・フォー・オール」の力について1年A組の仲間たちに暴露。出久はそのまま雄英高校を去り、変わり果てた雰囲気のまま街に現れるのだった。

第307話『おひさ!!』では、雄英3年の真堂揺が〝ダツゴク〟と称される凶悪なヴィランと対峙することに。ダツゴクの正体は、筋肉を自由自在に操る能力をもつ「マスキュラー」。マスキュラーは以前、コミックス7巻から10巻にかけて描かれた「夏の林間合宿編」でヒーローを絶望させた強敵の1人だ。

真堂は振動を与える「グランド」の個性によってマスキュラーに立ち向かうが、その鉄壁とも言える筋繊維には太刀打ちできない。マスキュラーがトドメを刺すべく、「血祭りだ!」と宣言したところで、出久がその場に現れた。

出久とマスキュラーは、かつて死闘を繰り広げた因縁の相手。ふたたび顔を合わせた2人のリベンジマッチに、ネット上では《マスキュラーとの再戦は激アツだし本当楽しみ!》《マスキュラー戦が一番好きだったからめちゃくちゃ嬉しい》《二度目のマスキュラー戦は熱すぎる》と大興奮の声があがっている。

唐突に繰り出された「エヴァ」パロディ

とはいえ、今回の見どころはストーリーだけではない。マスキュラーは真堂の攻撃を受けた際、「無駄だ」「1万2千層の筋繊維装甲さ」と勝ち誇るように言い放っていた。一見何気ない一言だが、このセリフは恐らく1997年公開の映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が元ネタとなっている。

一応簡単に説明しておくと、同映画は1995年から放送されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の完結編のような位置づけ。元ネタとなったのは、EVA弐号機に乗り込んだアスカ・ラングレーが「こちとらには1万2千枚の特殊装甲と、ATフィールドがあるんだからっ!」と啖呵を切る名シーンだ。

「たんなる偶然の一致では?」と思われるかもしれないが、これがパロディであるという明白な証拠も存在する。作者の堀越耕平は、今号の「ジャンプ」巻末コメントにて『呪術廻戦』作者・芥見下々と共に『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観に行ったことを明かしていたのだ。作者の内でエヴァ熱が燃え上がっていることは想像に難くない。

シリアスな展開の中にぶち込まれた「エヴァ」オマージュ。SNS上では、ネタに気づいた人から《今週のヒーローアカデミアにエヴァネタあって笑うんだけどw》《マスキュラーのセリフ、絶対エヴァじゃん…と思ったら先生エヴァ観に行ってて草》《マスキュラーの「1万2千層の筋繊維装甲~」ってセリフ、完全に旧劇場版のアスカでわろた》《堀越先生もしかしてシンエヴァ観に行く前に旧劇復習した?》といったリアクションが相次いでいる。

「ヒロアカ」と「エヴァ」という人気コンテンツ同士の出会いは、まさにセカンドインパクト級の衝撃を読者に与えた模様。今後もパロディネタを見落とさないよう、隅々までチェックしていきたい。

文=猿田虫彦
写真=まいじつエンタ
■『僕のヒーローアカデミア』29巻(堀越耕平/集英社)

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