映画公開の前に振り返りたい! 名作『輪るピングドラム』の深すぎる言葉3選

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今年でTVアニメ放映から10周年を迎え、劇場版『Re:cycle of the PENGUINDRUM』の製作も決まった『輪るピングドラム』。今もアニメファンに愛されている作品であり、幾原邦彦監督ならではの独特なセリフ回しも印象的だ。今回はそんな同作の中から、決して忘れられない「名言」を3つご紹介していこう。

少年少女の“痛み”に満ちたセリフ

<その1>運命に翻弄される双子たち
まずはアニメ第1話の冒頭で、主人公・高倉晶馬のモノローグとして語られるセリフ「僕は運命って言葉が嫌いだ」。この物語の登場人物たちは生まれながらにして何かしらの理不尽を背負っており、高倉家に生まれた双子の弟・晶馬もその1人だ。彼は物語の冒頭で、「生まれ、出会い、別れ、成功と失敗、人生の幸不幸、それらが予め運命によって決められているのなら、僕たちはなんのために生まれてくるんだろう」と哲学的な問いを投げかけてくる。

このような決定論めいたセリフやモチーフは、作中で何度も登場しており、作品全体を貫くテーマとなっていた。晶馬の兄である冠葉も、晶馬と同じように「俺は運命って言葉が嫌いだ」と言い放っている。ちなみに第2話では、晶馬のセリフを打ち消すような、「私は運命って言葉が好き」というセリフも登場。物語のキャラクターたちが運命とどのように向き合っているのか、ちょっとした言葉の端々からもそれは感じ取れるはずだ。

<その2>“ストーカー”ヒロインの電波なカレー論
2つ目は、ちょっとぶっ飛んだヒロイン・荻野目苹果(りんご)によるセリフ。第3話にて、苹果は「人類の歴史の中で人が初めて作った料理は、カレーだったんじゃないかと思う」とモノローグを放つ。苹果いわく、最初にカレーを作ったのは女の子で、大好きな人にほほ笑んでもらうために火を起こし、材料を用意して──「だからカレーは幸せな味がする」。

苹果は晶馬たちが通う高校の担任・多蕗桂樹を日夜ストーキングしており、さまざまな手段を使って結ばれようと画策する。上記のセリフは苹果が多蕗のためにカレーを作るシーンで登場するのだが、この時点ではかなり意味不明。しかし苹果がカレーにこだわるのにはちゃんとした理由があり、彼女の家族についての重要なストーリーに繋がっている。