『テニスの王子様』がギャグ漫画になったタイミングは? 分岐点となった“迷シーン”

『テニスの王子様』がギャグ漫画になったタイミングは? 分岐点となった“迷シーン”

『テニスの王子様』がギャグ漫画になったタイミングは? 分岐点となった“迷シーン”(C)PIXTA

許斐剛の『テニスの王子様』といえば、『週刊少年ジャンプ』を代表するテニス漫画。掲載誌を変えて続編が連載されている今でも、〝迷作〟として多くのファンに愛され続けている。しかし、あらためて考えてみると、「テニスの王子様」は一体いつからギャグ漫画へと路線変更したのだろうか?

同作がギャグ漫画扱いされる理由は、ありえない必殺技が登場することにあるのはご存じだろう。物語の最初期には平凡なテニス漫画のように見えたが、徐々に奇想天外な技が開放されていったのだ。その最初のきっかけとなったのが、原作の4巻で初めて登場した「ブーメランスネイク」だった。

「ブーメランスネイク」は青学テニス部の2年生・海堂薫が、地区大会の不動峰戦で使った技。「スネイク」というボールの軌道を曲げるショットを応用し、自分のコートからネットを横切って相手のコートへ打ち返すという仕組みだ。一見すると実現不可能なショットに思えるため、「ブーメランスネイク」によってスポーツ漫画の域を超えたと考える人は多い。しかし、実はこの技に関してはプロテニスシーンで過去に打たれたことがあり、テニスの公式ルールにも記述が。もちろん中学生が打つようなショットではないのだが、漫画特有の誇張表現としてありえる範囲だと言える。

その他、一部の読者からは《そもそも1話目からとんでもないプレイをしている》という意見も。1話目では主人公の‎越前リョーマが高校生とテニスをプレイするシーンがあるのだが、そこでリョーマはボールにバックスピンをかけ、ライン上にバウンドさせずに止めるというプレイを披露していた。もちろん中学生が狙ってできるようなプレイではないが、このレベルであればまだスポーツ漫画としての領域は超えていないだろう。

やはり決定打となったのはあのキャラクター

本当に「テニスの王子様」の方向性を決定づけたのは、原作の20巻から始まった関東大会準決勝の六角中戦。青学3年のダブルスプレイヤー・菊丸英二が「菊丸印のステップ」を出したシーンだ。

この技は菊丸が高速で動くことによって、コート内に菊丸が複数人いるかのように見せるもの。原作では菊丸が3人に分身して相手を翻弄しているのだが、どう考えても常人ではありえないどころか、物理法則すら無視している。このシーンを見たファンからは《この技だけぶっ飛びすぎじゃありませんか?》《テニスとは言い難いものになってきたかなぁ》などと言われており、スポーツ漫画として一線を超えた感があった。

ちなみに現在連載中の『新テニスの王子様』では、相手の骨を透かして見ることによって弱点を突いたり、スイングで空間を削り取ってボールの勢いを殺したりと、清々しいほどの能力バトルが繰り広げられている。フィクションならではの異次元プレイによって、今後も読者を楽しませてほしい。

文=「まいじつエンタ」編集部

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Benzoix / PIXTA

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