『幽☆遊☆白書』の「四聖獣編」は面白い! マンガ通なら理解できる濃密な面白さ

『幽☆遊☆白書』の「四聖獣編」は面白い! マンガ通なら理解できる濃密な面白さ

『幽☆遊☆白書』の「四聖獣編」は面白い! マンガ通なら理解できる濃密な面白さ (C)PIXTA

『幽☆遊☆白書』といえば、1990年~1994年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された冨樫義博の大ヒット作。今でも熱狂的なファンが多くいる漫画だが、物語序盤の「四聖獣編」については《唯一の汚点》《一番つまらないエピソード》といった扱いを受けている。しかし本稿では、漫画好きの視点で「四聖獣編」の名誉挽回を試みていきたい。

「四聖獣編」の大まかなストーリーは、浦飯幽助と3人の仲間たちが人間界を守るために「迷宮城」に突入。玄武・白虎・青龍・朱雀という4人の強力な妖怪とバトルを繰り広げていく…というものだ。そこで画期的だったのが、4対4で敵と当たっていくというストーリー展開。クール系・ギャグ系・冷酷系など個性豊かなキャラが集まり、それぞれが違った役割を担うという描写は、当時としてはかなり斬新だった。今やテンプレとしてさまざまな漫画に流用されているものの、元はと言えば冨樫の発明といっても過言ではないだろう。

また、そのパーティーにおいて飛影と蔵馬が仲間となったのも熱い展開。2人はそれ以前に敵として登場したキャラクターだったため、「敵が仲間になる」という王道ストーリーにワクワクさせられた読者は多いのではないだろうか。

とくに初登場時の飛影は、冷酷で残忍な妖怪だと思われていた。しかし「四聖獣編」ではキャラがテコ入れされており、読者が共感できるような性格に。青龍が仲間を見殺しにする姿を見て不愉快を覚えるという人間味すら与えられていた。予想を裏切るだけでなく、王道も入れ込んでくるのが冨樫の巧妙さなのだ。

全体を通して12話という“超濃厚”な密度

今振り返ってみて驚くのは、「四聖獣編」がわずか12話で完結しているという事実だ。4人vs4人のバトルを描いていると考えると、そのスピード感は異常と言わざるを得ない。それでいて、1戦1戦の密度が決して薄くないところが恐ろしい。

たとえば蔵馬vs玄武では、バラの匂いで敵の位置を感じとるような描写などがあり、蔵馬が「知略に長けているキャラ」だと表現されていた。また桑原vs白虎においては、ギャグのようなやり取りだけでなく、「実は霊気の量がかなり多い」という設定がしっかり盛り込まれている。

さらに幽助のバトルにおいては、ヒロインのために命を燃やして立ち向かう姿も。「幽☆遊☆白書」は読者の意表を突くようなエピソードが多いが、「四聖獣編」は冨樫の描く〝少年漫画らしい少年漫画〟を楽しめるという魅力があるのだ。

いまだに「四聖獣編」を評価するファンは多く、ネット上では《幽白の四聖獣編はもっと語られてよい》《俺が夢中で見てたのはこの頃だな》《朱雀は今見てもよく勝てたと思う》《明確に強いポジの敵(青龍)が瞬殺されるってシチュ、この頃はまだ珍しかったな》などと語る人々の姿が見受けられる。

「幽☆遊☆白書」は今から30年近く前の漫画だが、色褪せない魅力に満ちている。あらためて読み返して、「四聖獣編」のポテンシャルを味わってみてはいかがだろう。

文=「まいじつエンタ」編集部

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