アニメ『ONE PIECE』視聴率が右肩下がりに… 国民的アニメの座に黄信号

アニメ『ONE PIECE』視聴率が右肩下がりに…  国民的アニメの座に黄信号

『ONE PIECE』98巻(尾田栄一郎/集英社)

尾田栄一郎の原作漫画をもとに、幅広い世代を楽しませてきたアニメ『ONE PIECE』(フジテレビ系)。1999年の放送開始から人気を博しており、記念すべき第1000話が目前まで迫っている。しかしその一方で、最近では視聴率低下という問題を抱えているようだ。

「ONE PIECE」は20年以上放送を続けている長寿アニメで、放送枠がたびたび変わっても人気を博してきた。1999年から2006年までは、土曜や日曜のゴールデンタイムに放送。それ以降は日曜朝9時30分へと移動している。

ゴールデンタイムの枠ではなくなった「ONE PIECE」だが、数字を取れなくなったわけではない。2016年から2017年ごろは、6~8%という視聴率を記録していた。しかし現在では3~4%程度と視聴率が半減しており、5月9日に放送された第973話も平均視聴率3.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と低迷している。

ここでポイントなのは、視聴率がよかった2018年ごろまでは9時台の枠に『ドラゴンボール超』が放送されていたこと。同作は「ドラゴンボール」シリーズの最新作として注目度が高く、高視聴率アニメとなっていたため、〝抱き合わせ〟として「ONE PIECE」の視聴率を高めていたのかもしれない。

国民的アニメの立場が危うい?『鬼滅の刃』に記録を抜かれ…

今までは国民的アニメとして地位を築いていた「ONE PIECE」だが、昨今はその立場も危うい。というのも『鬼滅の刃』の台頭で、数々の記録が更新されているからだ。2020年10月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、興行収入399億円を突破しており、日本映画の歴代興行収入で1位を獲得。14作品もある「ONE PIECE」劇場アニメの累計興行収入380億円を、たった1作品で飛び越えてしまった。

また、アニメだけでなく原作コミックも「鬼滅の刃」の勢いは止まらない。「ONE PIECE」は「オリコン年間〝本〟ランキング」のコミック部門で12年連続1位を獲得していたが、2020年にはその記録が破られてしまう。「鬼滅の刃」18巻が集計期間内に439.3万部を売り上げ、1位を奪取したのだ。さらに「鬼滅の刃」は年間1~10位を独占するという史上初の記録まで打ち立てている。

「鬼滅の刃」の強みは、大人だけでなく子どもから支持されているという点。「ONE PIECE」が今後も国民的作品の座を守るためには、キッズ層の取り込みがカギとなってくるだろう。しかし、20年以上の連載・放送を若年層が今から見始めるのは少々ハードルが高いかもしれない。現在の連載も引き延ばし展開にブーイングが続出しているが、作品のクオリティを担保できないのなら『鬼滅の刃』のようにサクッと終わらせればよいと思うのだが…。

文=大上賢一
写真=まいじつエンタ
■『ONE PIECE』98巻(尾田栄一郎/集英社)

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