『逃げ上手の若君』に“3D”が使われていた! 最新技術が漫画の描き方を変える…?

『逃げ上手の若君』に“3D”が使われていた! 最新技術が漫画の描き方を変える…?

『逃げ上手の若君』に“3D”が使われていた! 最新技術が漫画の描き方を変える…? (C)PIXTA

『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気漫画『逃げ上手の若君』にて、3Dモデルが意外なところで活用されていることが明らかに。漫画家の負担を減らす〝技術革新〟として、ネット上で大きな注目を集めている。

話題の発端となったのは、3Dデータ制作などを手掛ける『株式会社メルタ』が執筆した『note』の記事。これによると同社は、「ジャンプ」編集部から作画コストを下げるためのCG制作を依頼されたという。

「逃げ上手の若君」は、『暗殺教室』などでお馴染みの松井優征が描く、鎌倉~室町時代を舞台とした作品。時代設定の都合上、複雑な造形の武具や馬具が数多く登場する。そのため「メルタ」は、松井から送られた資料などをもとに、武具や馬具の3Dモデルを制作。その後『CLIP STUDIO』という作画ソフトに取り込むことで、線画として表示させているそうだ。

後は、この線画っぽい3Dモデルに加筆や修正を施していくことで、漫画の原稿が完成するという仕組み。たしかに「逃げ上手の若君」を見てみると、精密に描き込まれた甲冑などに思わず目を惹かれるが、その裏には3D制作会社と漫画家による二人三脚の努力があったようだ。

『ネギま!』赤松健も3D技術の活用で有名

そうした興味深い制作の裏側が明らかとなり、ツイッター上では《全然3Dモデルと使った作画だって気付かなかった…》《漫画を描く手法もデジタル技術で進化してるんだなぁ》《武士の甲冑みたいな小さいパーツの集合体は作画コスト高そうだから、3Dに置き換えるのはいい考え》《「漫画に3Dなんて!」って人はまだまだいそうだけど、どんな技術も使い様だと思う》《まさに技術の有効活用》といった声が。最近はレンダリング技術の発展で、手描きのような質感も3Dで再現できるようになってきたので、今後はより漫画業界で重宝されていくかもしれない。

一方で漫画ファンの中には、《結構前から3Dモデルを活用する漫画家っていたよね?》と指摘する人も。有名なのは『魔法先生ネギま!』の赤松健で、彼は背景を3Dモデルで制作し、アングルなどを変えながら複数のシーンに活用していたという。赤松は2000年代の時点ですでに3D技術を導入していたのだが、今作品を読み返してもほとんど違和感は存在しない。

その他にも『GANTZ』の奥浩哉や『おやすみプンプン』の浅野いにお、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の太田垣康男など、3DCGなどの新しい技術を導入する漫画家は少なくない。未だに3Dを「手抜き」などと批判する古いタイプの読者もちらほら見かけるが、週刊連載を持つ漫画家の負担が少しでも減ることを祈るばかりだ。

文=猿田虫彦

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Sunny studio / PIXTA

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