ジャンプ“次期看板”はラブコメ?『アオのハコ』の快進撃にザワつくファン

ジャンプ“次期看板”はラブコメ?『アオのハコ』の快進撃にザワつくファン

ジャンプ“次期看板”はラブコメ?『アオのハコ』の快進撃にザワつくファン (C)PIXTA

7月12日発売の『週刊少年ジャンプ』32号で、三浦糀による青春ラブストーリー漫画『アオのハコ』が大躍進を果たした。連載開始からわずか14話にして、表紙&巻頭カラーに選ばれたのだ。異例の快挙に、「ジャンプ」ファンからは驚きの声があがっている。

「アオのハコ」は2021年19号から始まった新連載。バドミントン部の高校生・猪股大喜が、女子バスケ部に所属する先輩・鹿野千夏に片思いする姿が描かれている。近年の「ジャンプ」で定番だったハーレム系ラブコメとは打って変わって、1対1の恋愛模様をテーマとした爽やかな作風で注目を集めていた。

同作を高く評価している読者は多いようで、今回の快進撃についても《ジャンプの看板、見つかったな》《オーラしか感じない》《絶対次にくるマンガ》などと持ち上げる声が相次いでいる。

実際のところ、たった14話で表紙&巻頭カラーを達成するのはかなり珍しいこと。これまでの歴史を振り返ると、島袋光年によるグルメ漫画『トリコ』の12話目が歴代最速だった。ただし島袋は大ヒット作『世紀末リーダー伝たけし!』を生み出した人気作家なので、編集部のプッシュが強かったという事情もあるかもしれない。

その一方、「アオのハコ」作者の三浦は「ジャンプ」での実績がほとんど存在しないところからのスタート。これほど実績が少ない状態から猛スピードで表紙&巻頭カラーを獲得したのは、おそらく2009年の田村隆平による『べるぜバブ』(13話目)以来のことだろう。

「ジャンプ」ファンの中では評価が定まっていない?

とはいえ、すべての読者が「アオのハコ」の真価を認めているわけではない。現在の「ジャンプ」ではラブコメの競合作が存在しないため、「たまたま需要が高まっているだけでは…」と疑う人が存在するのだ。

たしかに「アオのハコ」は、シリアスなラブコメを求めていた読者にとっては理想的な作品だと思われる。またそれだけでなく、バドミントンやバスケといったスポーツ要素をミックスしている点も、潜在的な需要をうまく引き出しているのだろう。

その一方で、「ジャンプ」の伝統であるファンタジーとラブコメを織り交ぜた作品は現在も飽和状態。妖怪と忍者をめぐる恋愛ファンタジー『あやかしトライアングル』や、見習い魔女の摩訶不思議な日常を描いた『ウィッチウォッチ』などが熾烈な争いを繰り広げている。

ただし、読者の需要を上手く読み取ることも漫画家として重要な才能の1つ。ありそうで珍しいスポーツラブコメという題材を選んだ時点で、高いセンスがあると言うべきだろう。今後は「ジャンプ」の清涼剤のような役割として、ますます人気を博していくかもしれない。

文=野木

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