『1日外出録ハンチョウ』も中国市場に忖度?“台湾キャラ”が抹消されて矛盾が発生…

『1日外出録ハンチョウ』も中国市場に忖度?“台湾キャラ”が抹消されて矛盾が発生…

『1日外出録ハンチョウ』も中国市場に忖度?“台湾キャラ”が抹消されて矛盾が発生… (C)PIXTA

アニメや漫画といった日本のオタクコンテンツも、今や中国市場における〝チャイナリスク〟と無縁ではない模様。最近では人気コミック『1日外出録ハンチョウ』の不自然な修正が取り沙汰され、SNSなどで議論を呼んでいる。

今回注目を集めたのは、「外出した大槻班長が何を食べるか脳内会議で決める」というコミックス8巻収録のエピソード。中華が食べたい大槻の脳内では、「広東大槻」や「北京大槻」といったキャラクターたちが次々と登場する。その中には台湾料理を司るのであろう「台湾大槻」という存在もあったのだが、Kindle版などで「薬膳大槻」に修正されているとの報告が相次いでいるのだ。

変更後のページを見てみると、名前はもちろん見た目も「薬膳大槻」にふさわしく変更されていた。しかしよほど突貫で修正したのか、以降のページには「台湾大槻」と思われる人物の絵がそのまま残っており、矛盾が生じてしまっている。

広く知られている通り、「一つの中国」を掲げる中国と、独立を目指す台湾は以前から微妙な関係にあった。そのため『1日外出録ハンチョウ』8巻の修正には、《もはや漫画ですら台湾がタブーになりつつあるのか…》《こういうのなんか嫌だなぁ》《そんなところまで中国に配慮する必要あるの?》《これは相当に怖いことやぞ。たかが漫画で「台湾」表記が消されていくなんて》といった声が上がっている。

しかし元のエピソードでは台湾大槻を「中華大槻」の1人として描いていたため、《むしろ台湾への配慮だったのでは?》との指摘も。いずれにせよ台湾や中国などのワードを漫画内で使うことは、センシティブな問題になってしまっているようだ。

中国関連で炎上してしまうクリエイターたち

実際に中国関連の問題で炎上してしまう漫画家は少なくない。以前は『鋼の錬金術師』などで知られる人気漫画家・荒川弘が、短編連作集『RAIDEN-18』の中で、どう見ても毛沢東にしか見えない人造人間を描いて炎上。中国のネットユーザーから批判が殺到していた。

また堀越耕平の『僕のヒーローアカデミア』は、作中の敵キャラ・志賀丸太が、第二次世界大戦期に人体実験を行っていたとされる「731部隊」を連想させるとして、こちらも炎上。「丸太」という名前が、人体実験の被験者を示す隠語「マルタ」を想起させるものだからなのだという。

チャイナリスクの影響が目立っているコンテンツといえば、ここ最近はVTuber界隈でさまざまな騒動が起こっている。有名なのは先日『ホロライブ』を卒業した桐生ココで、彼女が去った理由も中国と台湾の問題に端を発している…との説が濃厚。また中国の動画サイト『Bilibili』などで活躍している花園セレナというVTuberも、最近「台湾(中華民国)」という表記のある地図を配信中に表示してしまい、後日謝罪文を掲載していた。

あえて中国と台湾の問題に首を突っ込む必要もないとは思うが、中にはこじつけのような難癖で批判されてしまうクリエイターも少なくない。日本のオタクコンテンツの表現の自由が、これ以上侵害されないことを祈るばかりだ。

文=大上賢一

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