『HUNTER×HUNTER』ハズレは“具現化系”? 残念能力の使い道を徹底検証

『HUNTER×HUNTER』ハズレは“具現化系”? 残念能力の使い道を徹底検証

『HUNTER×HUNTER』36巻(冨樫義博/集英社)

冨樫義博の漫画『HUNTER×HUNTER』には、6つの系統にわかれた念能力が登場する。その中でも最弱のレッテルを貼られているのが、武器などの実物を生み出す「具現化系」だ。一体なぜ具現化系は弱いと言われてしまうのか、本当に使い道がないのか…。今回はさまざまな角度から、具現化系の真価を明らかにしよう。

そもそも具現化系が弱いと言われるのは、いくつか理由がある。1つは第83話『9月2日(5)』でクラピカの師匠・イズナビが指摘した、「実物を持ち歩いていればわざわざ具現化する必要がない」という点だ。イズナビによると、具現化系といっても人間の能力を超えたものを形にすることはできない。つまり「何でも切れる刀」のように都合のいいものは実現できないため、いっそ実際の名刀を持ったほうがいいと明言していた。

もう1つの欠陥は、念能力の基礎に関わるポイント。第54話『敗因』において、ヒソカは念能力の性質を「メモリ」(容量)に例えたことがあった。人が取得できる念能力のキャパシティーには上限があり、それをやり繰りしながら自分にふさわしい能力を身につける必要があるのだ。ところが具現化系の場合には武器を作った後、「どのような能力を付与するのか」という部分で、さらなる能力の行使が求められるため、無駄にメモリを使用してしまう。それなら最初から強い武器を用意しておき、それを能力によって強化した方が効率的ではないだろうか。

また念能力は六角形の図で示されるように、6つの系統の中で相性や親和性が決まっている。強化系と放出系、変化系のように図形で隣り合っているものは一緒に鍛えられるのだが、離れている系統は鍛えにくい…というのも常識だ。それを踏まえて具現化系の位置を見てみると、残酷にも強化系と離れてしまっている。つまり武器を使う戦闘スタイルでありながら、パワーを鍛えるのが難しいという矛盾を抱えているのだ。

本当に具現化系は“ハズレ”能力なのか

多くの読者が具現化系を見くびっているようで、ネット上では《正直言って、具現化系って弱いんだよなぁ。不自由で戦闘に向いてない》《特殊な能力をわざわざ具現化して戦ってるけど、正直特殊能力付きパンチでいいよな》といった声が飛び交っている。以下では客観的な評価のため、実際に具現化系の能力者たちを検証してみよう。

たとえば凶悪な盗賊グループ「幻影旅団」の能力者ではどうだろう。そこで具現化系にあたるのは、シズクとコルトピ。シズクは「デメちゃん」という掃除機で無生物を吸い込むという他愛のない能力で、コルトピの「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」はコピーを作り出すだけで、全く戦闘向きではない。

他方で、「キメラアント編」で活躍したプロハンター・ノヴは具現化系の中でも最強クラス。その能力名は「四次元マンション(ハイドアンドシーク)」といい、人や物の輸送を行うというもの。空間を作り出すというチート能力であり、間違いなく人智を越える業と言えるだろう。また戦闘面でも「窓を開く者(スクリーム)」という応用技があり、触れたものの一部を念空間に飛ばして致命傷を与えられる。

さらに具現化系の〝最強〟候補としては、やはり「グリードアイランド編」に登場したゴレイヌは外せない。その能力は、「白い賢人(ホワイトゴレイヌ)」と「黒い賢人(ブラックゴレイヌ)」というゴリラ型の念獣を出すというもの。それぞれ「自分との位置を入れ替える」「他者との位置を入れ替える」という能力を有しており、うまく使えば一撃で相手を仕留められる驚異的な能力だ。

具現化系は「型にハマれば強い」と言われるが、ノヴやゴレイヌの能力はまさにその典型。必殺の勝利パターンがある上、さまざまなシチュエーションで応用できるためかなり強い。平均的には他の系統より弱いと言わざるを得ないが、使い手の才能や訓練によっては高みに到達できるのだろう。

本編は佳境に差し掛かっているのか、次々と強力な念能力が登場中。もしかすると今後、ゴレイヌたちを超える最強の具現化系が現れるかもしれない…。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ
■『HUNTER×HUNTER』36巻(冨樫義博/集英社)

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